第114回で、「常時ドラとして採用されたことのない牌、1つもない説」を提唱してみましたが、今回提唱するのは、「ツモ牌が設定されてある何切る問題、ツモ切りが正解のもの一つもない説」何かツモって手が進んだからこそ、何を切るか迷う形になったということを考えると、出題者としてもツモ切りが正解になる問題は作りづらいのではないでしょうか。個人的にもツモ切りが正解だった問題の記憶がないので、この機会に手元にある問題集で検証してみることにしました。
まずは80問。ツモ牌が設定されてないものもあったので正確には69問でしたが、確かにツモ切りが正解の問題は1問もありませんでした。
『バビィの麻雀何切る180連発』
何切る問題作成の第一人者と言えばバビィこと馬場プロ。まだ戦術本関連の記事をネットに挙げていなかった頃の問題集を久しぶりに再読しましたが、やはり私の記憶通り、ツモ切りが正解の問題は1問もありませんでした。
最早何切る問題の決定版とも言えるウザク本の第1弾も検証してみます。そもそも今回の説を思いついたのは、ウザク本の問題を校正していた時だったりします。ウザク本も例に漏れず、これまでの何切る問題同様、「ツモった牌で手が進んで何を切るか迷う」問題が並んでいたので、これは説が立証されたと思っていたのですが…
Q119まできてついにツモ切りが正解の問題を発見しました。更に進めていくとQ197もツモ切りが正解。説は立証されませんでしたが、300問中たったの2問、しかもその2問も解答はそれぞれ打、打。手牌がマンズ、ピンズ、ソーズ、数字が1〜9の順で並んでいることを踏まえると、一番右端の牌を切るのが正解だったので、たまたまその牌がツモ牌だったということで説明がつきそうです。
それならやはり何切るは意識的にツモ切りが正解にならないようになっているのではないかと思ったのですが、ウザク本2になると早速Q32にツモ切りが正解の問題を発見。その後もQ54、Q87、Q88、Q91、Q163、Q170、Q242、Q251、Q257と実に10問もありました。しかもいずれもたまたま右端の牌だったからではなく、一見必要そうな牌が実は不要牌だったケース。ウザク本1とここまで違うとなると、意図的にそうされたようにも見えますね。
第109回でも申しましたが、私は何切る問題においてツモ牌を書く必要は基本的に無いという立場を取ります。以前からツモ牌は不要と何度か主張していた為か、『ウザク式麻雀学習 牌効率』ではツモ牌の表記がありませんでした。最近発売された、『バビィの究極!麻雀何切る365』もツモ牌の表記無し。何切る問題で何度となくやりとりしていたウザク氏はともかく、何切るの先駆者とも言える馬場プロの著作でもツモ牌の表記が無かったことには驚かされましたね。