こんにちは!赤坂ドリブンズの広報担当です!今年もドリブンズメンバーの思考を1分程度で読める記事にしていきたいと思います。
2019年度の第1回は10月8日2回戦オーラスのこの局面。
一時持ち点マイナスまでいった園田はなんとか盛り返し、2着が見える位置でオーラスを迎えていた。その園田が序盤のにチーの声をかけた。
2着への条件は手牌を加味すると
●2着目直撃→2,000
●ツモ→500・1,000
●他家からの出アガリ→3,900
これに加え、日向選手からリーチがかかると1,000でOKになるなど、条件緩和のバリエーションが残っている。とはいえ、門前で無理ない3,900や500・1,000が見えるこの手牌、果たして何人の打ち手がに「チー」の声をかけるのだろうか。
たろう・村上「鳴かない」
一方の園田「3枚目のだからね。しかも、手牌で使われていそうななのよね」
一見門前でテンパイしそうな手牌も、園田にとっては門前テンパイが難しい手牌に変わっていたというわけだ。実際にはこの序盤でヤマに3枚しか残っていなかった。これが園田のリアルである。
園田「鳴いても234の三色で500・1,000になるしね」
しかし、実際にはすぐに引いたで三色が崩れ、1,000の単騎テンパイとなってしまう。それでもチーやチーでまだ三色になるため、形が透けないように手牌を並び替えてチーに備える園田。そこにを引いてきた。
234の三色を見れば当然のツモ切りなのだが、園田は少考に入る。
この少考に、ドリブンズ控室は直感した。
「これ、流局1人テンパイ考え始めてるね!」
そう、実は2着になる条件は流局時にも存在する。
●園田1人テンパイ
●園田・茅森2人テンパイ
そして、園田、やはりここから打で流局テンパイ狙いへ。
園田「234の三色見てたんだけど、他家がテンパらなさそうで流局1人テンパイにできそうだなと思い始めた。それなら安全度で上家下家の現物でトイメンにもスジで安全度高い単騎にしておいた方がテンパイ取りやすいからね」
園田「それに、そもそもチーで仕掛け始めた要素の1つに、上家のオヤに考えさせたいというのもあった。オヤは3,900放銃で2着からラスになるわけで、その2着順落ちは避けたい心理になるはず。そんな状況でおれが両面チーから入ったら3,900けっこうありそうに見えて、自由に打てずにオヤノーテン増えそうだからね」
チーの時点からこの状況を想定していたというのである。
さらに、2枚切れの西を引いて打で役ナシテンパイに変えていく。どうせアガる気がない。それならより安全度の高い牌を残した方がいいということだ。
しかし、他家も当然黙ってはいない。
瀬戸熊選手がポン打でタンヤオのイーシャンテンへ。
これを受けた園田、ツモ。
流局テンパイを狙うなら今のうちに切っておきたいではあるが・・・
園田「この時点でセトさん(瀬戸熊選手)はテンパイで、けっこうカン待ちが濃いと思ってたんだよね」
下家瀬戸熊選手の河に注目してもらいたい。ポン打の直前により安全度の高いが切られている。すなわち、このは絶対に関連牌ということになる。
想定される形としてはこんなところ。
●からのシャンポン待ち
●からのシャンポン待ち
●からの待ち
●からのカン待ち
●からで関連しない待ち
園田「このうち、シャンポンは少し前にポンしてないからほぼ消える。で、おれが3枚目のを引いたことでも消える」
すると、この時点でカンの濃度がかなり上がっているというのである。
そう考えると、結論はを切らずにを切る、となる。
さらに次巡、連荘を目論むオヤがを打ち、これが通る。
園田「このが通ったらほぼカンの1点だよね。形としてはからとかもあるんだろうけど、自分の目からが3枚見えてるわけだから(=相手がを持っていないケースが増えるため)、それよりは断然カンが濃いよね」
とすると、せっかくできた500・1,000のツモ・直撃条件のにも受けず、打として瀬戸熊選手にテンパイを入れさせない。ここまで読める局面なら、「カンではないかもしれない」という不確実性になど、絶対に甘えたりはしない。それが園田のリアルだ。
最終手番で日向選手にテンパイが入り、惜しくも2着とはならなかったが、テンパイ料で3着に浮上し、苦しい半荘をなんとか凌いだ。
園田「セトさんはテンパイだと思ってたから、まさかのノーテンでツイてたね」
ツイてた・・・
結果的には確かにそうかもしれないが、この「ツイてた」にたどり着ける打ち手はそうそういないのではないか。
園田の深いリアルが、価値ある3着をチームにもたらした。
■赤坂ドリブンズは、今週のMリーグには10/14(月)、17(木)に登場!19時からAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定となっています。