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ネマタの手組の達人 第17回

ネマタの手組の達人 第17回

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今回の問題は「何切る」ではなく、「何鳴く」。「麻雀技術の教科書」で取り上げられた牌姿から出題しました。本書ではチーに言及されていましたが、他の牌が出た時にどうするのかが気になりました。

鳴かずに進めた場合は、ペンチャン+カンチャン+フォロー牌の1シャンテン。アガリ率はフォロー牌がある分チートイツ1シャンテンよりはやや高い程度でしょうか。打点はリーチイーペーコーで出アガリ2翻40符、一発ツモ裏込みの打点は約4600点というところ。ただしドラ引き変化があるので実際はもう少し高くなりそうです。

一方、ピンズは何を鳴いてもチンイツで8000の2シャンテン。一般論として、1コーツ4トイツのトイトイ2シャンテンは5トイツのチートイツ1シャンテンよりアガリ率で勝りますが、トイトイはメンツをコーツにする必要があるのに対して、チンイツはメンツはコーツでもシュンツでも構いません。

よって、メンツ候補が揃っているか、それ以上に手が進みやすいチンイツ2シャンテンに関してはトイトイ2シャンテンよりもアガリやすいと考えられます。そのトイトイ2シャンテンはチートイツ1シャンテンよりもアガリやすいのですから、現状チートイツ1シャンテンよりややアガリやすい程度である今回の牌姿。だけではなく、チンイツのメンツ候補が揃う。メンツ候補不足とはいえ、へのくっつきでチンイツ1シャンテンに取れるについても鳴いた方がよいとは考えられないでしょうか。

もちろんチンイツは警戒されやすいので、アガリ率で鳴いた方が勝るとまでは言い難いですが、それでもメンゼンで染めずに進めた場合と比較して打点が2倍近くまで上がるのですから、多少アガリ率を落とす程度までであれば、鳴いた方がよいと判断します。

残りのピンズはポン同様くっつきでチンイツ1シャンテンになる形ですが、シャンポンの代わりに残るのがペン。流石にスルーした方がアガリやすそうですが、打点はもちろん8000に届くチンイツの方が高い。多少アガリ率が落ちる程度までは鳴くのであれば、そもそもピンズは全て鳴いた方がよいとも考えられますが、本当にそう判断してよいのかというのが今回のテーマです。

鳴くことのデメリットの一つに、「ツモ番を1回飛ばす」というものがあります。もちろん1回ツモって有効牌を引けるかどうかはランダムなので、「鳴かなければツモっていたから鳴いたのは失敗」と考えるのはただの結果論に過ぎません。

しかし、元々有効牌が多いうえに、「鳴く牌が有効牌の中では価値が低い」のであれば、ツモ番を1回飛ばすデメリットの影響も大きくなります。この手牌はピンズ全部と、マンズでテンパイするツモ、ドラ周りの手変わりが有効牌。どの牌をツモってもをチーした時よりも良い牌姿です。

「何鳴く」問題は鳴く前の手牌と鳴いた後の手牌という性質が違うものを比較する必要があるうえに、鳴く牌の候補を1つ1つ検証する必要があるので、「何切る」以上に結論を出すのが難しい問題です。そのため完全に主観の話になるので恐縮ですが、個人的にはのみスルー、他は鳴きで「7種類」を想定解としました。鳴き手役のメンツ候補が揃って鳴いても高い場合は「どこからでも仕掛ける」のが原則ですが、今回の手牌のように鳴き手役のメンツ候補が足りてない場合については、「最も劣る仕掛けよりはツモ番1回優先」くらいのスタンスで打つのがよいのではないでしょうか。

手組の達人第18回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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