- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
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第2章 最速で勝ち組になるための手作り
⑦打点の作り方
「最速でリーチを打つ」ことが重要視されていなかった時代は、手作りと言えば手役作り、高い手を作ることが重視されていました。麻雀は最初にアガリの形を作れた人だけが加点できるゲームなので、技術を身につける順番としては、手役作りより5ブロックの作り方が先です。
しかし、「最速でリーチを打つ」ことを誰もが意識できているフィールドであれば、アガリ率で差をつけることが難しく、打点を作る技術も重要になります。
打点を作るために必要なのはまず、ドラや手役の種を見逃さないことです。そのうえで、満貫までは打点が高くなる受け入れを優先して残すようにすると、自然と打点を追うべき手牌で高打点の手を狙えるようになります。受け入れが1/3以上減ることはそうないので、受け入れ枚数はさほど意識する必要がありません。
これだけで打点狙いが分かりやすいように牌姿Bはがドラになっていますが、ドラで無くてもを切るとメンピンで2翻止まり、三色になれば不確定とはいえ満貫にまで届くので打を推奨します。
しかし牌姿Cならもちろん打。牌姿Bで手広くを切るのはさほど損にはなりませんが、牌姿Cで手役を狙いすぎるのは大きな損失になりかねません。だからこそ、「最速でリーチを打つ」技術を身につけることがまず重要で、それが出来るようになってから打点を作ることを意識した方がよいのです。
⑧役牌は全部鳴け!
役牌トイツを鳴かないと残りの役牌はたった1枚。役牌が雀頭だとメンゼンでテンパイしてもタンヤオ、ピンフがつきません。うまくメンゼンでテンパイしても打点面であまり有利にならないのが、役牌は全部鳴くくらいのつもりで進めてよい理由です。役牌のみでもドラツモから高打点になることも少なからずあります。
タンヤオ手の場合はメンゼンならピンフ、イーペーコーといった手役がつく可能性があるので、役牌よりは鳴かないケースも増えます。しかしそれでもメンツになりにくいカンチャンを鳴けるようなら大半は鳴き。特にドラが多数ある場合は積極的に仕掛けていきましょう。
⑨鳴きの最強手役はホンイツ!
鳴く時に使う役としてホンイツを特に押さえておきたいのは、鳴いても2翻で高くなりやすいからというのもありますが、もう一つの理由は、序盤から浮いた字牌を残すことが増えるため、リーチを狙う場合とは異なる手作りの技術を要求されるためです。
ホンイツを狙う基準を厳密に作るのは難しいですが、ひとまずは本書の基準を目安として、狙うべきかどうかよりもまず、狙える手牌かどうかを意識するようにしましょう、微妙なケースで狙うかどうかについてはこちらを御参照いただけると幸いです。
トイトイも鳴いたホンイツと同様2翻役で、必須ではありませんが仕掛けやすいので字牌を利用する価値が高まると言えます。「浮いている字牌を切る」前に、ホンイツ、トイトイを意識できるようにしておきたいですね。
これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法
70点取れれば勝ち組になれる
一般的に強者と言われる人たちは
(1)自分の手牌
(2)捨牌や点数状況など手牌以外の公開情報
(3)公開情報から推測される「相手の手牌」や「残りの牌山」などの非公開情報
(4)相手の打ち筋や癖など
(5)相手の理牌や打牌のテンポなど、牌理以外の読み
といった様々な情報からどんな選択をするか決定しています。しかしながら、初心者がこれらの情報をいきなりすべて処理するのは不可能です。ではどうするべきか。初心者でも扱うことができる最小限かつ、より勝利に貢献しやすい情報のみをひとまずは考えれば良い、ということになるでしょう。
初心者の方が麻雀をする可能性のある多くのフィールド、仲間とのセット打ちや天鳳で言えば特上卓くらいまでのレベルを上限と考えた場合、その中で半分より上の実力を手に入れるには、(1)~(2)の情報があれば十分です。
したがって本書は(1)~(2)のみを用いて問題に答えています。結果としてそれは正解((3)~(5)も含めた強者たちの見解)とは違う選択であることもあります。しかしそれこそが勝ち組になるための最短ルートなのです。
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