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ネマタの戦術本レビュー第1149回「『これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法』編 その10 著:平澤元気」

ネマタの戦術本レビュー第1149回「『これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法』編 その10 著:平澤元気」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第3章 最速で勝ち組になるためのベタオリ

⑤最初に覚える読みはコレ!

初心者が最速で勝ち組になるためには、「読み」はそれほど重要ではありませんが、「鳴いている相手」しかも、「高打点になりやすく特徴がでやすい鳴き」に対する読みだけは押さえておきたいところです。

「読み」と言っても相手の待ちを一点で当てるといった類いではなく、リーチに対応する時のように、テンパイの可能性を意識して、振り込むリスクがある牌を安易に切らないということ。「読み」の必要性に対する見解が熟練者でも分かれがちなのは、ここで紹介されているような「読み」は、「公開情報をよく見る」程度のことなので「読み」の範疇ではないと考えているからかもしれません。

手出しツモ切りを見る余裕とありますが、筆者が『麻雀 鳴きの教科書』でも触れているように、まずは手出しツモ切りを見ることで何が分かるかを知識として押さえておくことが大事です。人は自分にとって興味の無いものは見ても覚えられないので、まずは知識として押さえておくことで興味を持つようにする。そうすると自然と手出しツモ切りを見て覚える余裕が生まれると思います。

⑥「知識」より「意識配分」

「読み」がさほど重要でないことは、読みだけ出来ていても結果を出せていない打ち手が少なくないことからも明らかですが、結果を出している打ち手は読みが得意な打ち手も多いもの。この理由は表題の通り、「知識」より「意識配分」が重要であるため。読みへの「意識配分」が過剰な打ち手は知識だけあっても勝てませんが、知識が無ければ意識しようがないので、読みはさほど重要でないと言っても、知識として押さえておく必要はあるのです。

151ページの対門がピンズ一色手の仕掛けで、ピンズが溢れているのでテンパイの可能性が高いと言えます。2シャンテンのこの手ではピンズも字牌も切らずにオリた方がよいことは、知識として押さえてさえいれば明白。仕掛けがピンズ一色手であることを把握するのも広義では「読み」の範疇ですが、意識して見れば明らかなことですから、「読み」には含まれないと考える人も多そうです。「知識が無ければ意識しようがないので、読みはさほど重要でないと言っても、知識として押さえておく必要はある」典型例と言えましょう。

初心者は場を見ていないから見え見えの仕掛けにも危険牌を切ってしまうと言われますが、「見えてはいるけど意識が希薄なので、不用に危険牌を切るミスを度々犯してしまう」というのが正確なところ。逆に言えば意識配分さえしっかりしていればミスが大幅に減るので、実力を大きく向上させることができるはずです。

これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法

70点取れれば勝ち組になれる

一般的に強者と言われる人たちは
(1)自分の手牌
(2)捨牌や点数状況など手牌以外の公開情報
(3)公開情報から推測される「相手の手牌」や「残りの牌山」などの非公開情報
(4)相手の打ち筋や癖など
(5)相手の理牌や打牌のテンポなど、牌理以外の読み

といった様々な情報からどんな選択をするか決定しています。しかしながら、初心者がこれらの情報をいきなりすべて処理するのは不可能です。ではどうするべきか。初心者でも扱うことができる最小限かつ、より勝利に貢献しやすい情報のみをひとまずは考えれば良い、ということになるでしょう。

初心者の方が麻雀をする可能性のある多くのフィールド、仲間とのセット打ちや天鳳で言えば特上卓くらいまでのレベルを上限と考えた場合、その中で半分より上の実力を手に入れるには、(1)~(2)の情報があれば十分です。

したがって本書は(1)~(2)のみを用いて問題に答えています。結果としてそれは正解((3)~(5)も含めた強者たちの見解)とは違う選択であることもあります。しかしそれこそが勝ち組になるための最短ルートなのです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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