- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
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第3章 最速で勝ち組になるためのベタオリ
③ベタオリは気合!
131ページ問題1の手牌からアンコを切って安牌を水増しするのも今では常識になりましたが、牌姿Aのような当たる組み合わせが多いアンコまで切ってしまうミスをする人も結構見受けられます。安牌水増しもあくまで放銃を極力回避するための手段。手牌が無スジばかりになっても、まずはその中で通りやすい牌がないかを確認するようにしましょう。
問題2は、「無スジの中でも通りやすい牌」を探す典型例。1枚通すことでそのスジ牌も通しやすくなるのも押さえておきたいポイント。「通れば1枚通せる」ようになる牌が、「通れば2枚通せる」アンコ落としよりは通りやすいと判断できるのであればそちらを切った方がよいでしょう。135ページにまとめられているように、「2つ以上の属性を持つ牌」を探しましょう。
④ベタオリマスターになるためのテクニック
「ベタオリだけなら猿でもできる」と揶揄されることもありますが、誰でもできることでも、精度を高めればそれだけ他の打ち手と差をつけることができます。
同じ安牌でも、別の他家がテンパイしても安牌である牌を、共通安牌、または国際安牌と呼びます。同じ安牌でも共通安牌は後回し、こうしたところでも手順に差がつきます。
ただし共通安牌を残そうとするあまり、別の他家の鳴きやダマに振り込んでしまっては本末転倒。先行リーチにかなり危険度が高い牌を押している他家がいる場合や、巡目が深く、共通安牌から切っても流局まで降りきりやすい場合は別の他家のテンパイをケアするようにしたいですね。
共通安牌を残すことを意識していても、2件リーチとなればすぐに共通安牌が無くなってしまうこともしばしばあります。その場合は本書にある通りどちらかの安牌、特に親以外への安牌から切るのが基本ですが、「どちらにも安牌ではないがそこそこ通りやすい」牌を切った方がよい場合もあります。具体例についてはこちらをご覧下さい。
これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法
70点取れれば勝ち組になれる
一般的に強者と言われる人たちは
(1)自分の手牌
(2)捨牌や点数状況など手牌以外の公開情報
(3)公開情報から推測される「相手の手牌」や「残りの牌山」などの非公開情報
(4)相手の打ち筋や癖など
(5)相手の理牌や打牌のテンポなど、牌理以外の読み
といった様々な情報からどんな選択をするか決定しています。しかしながら、初心者がこれらの情報をいきなりすべて処理するのは不可能です。ではどうするべきか。初心者でも扱うことができる最小限かつ、より勝利に貢献しやすい情報のみをひとまずは考えれば良い、ということになるでしょう。
初心者の方が麻雀をする可能性のある多くのフィールド、仲間とのセット打ちや天鳳で言えば特上卓くらいまでのレベルを上限と考えた場合、その中で半分より上の実力を手に入れるには、(1)~(2)の情報があれば十分です。
したがって本書は(1)~(2)のみを用いて問題に答えています。結果としてそれは正解((3)~(5)も含めた強者たちの見解)とは違う選択であることもあります。しかしそれこそが勝ち組になるための最短ルートなのです。
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