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ネマタの手組の達人 第28回

ネマタの手組の達人 第28回

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 ドラ

三色、一通、純チャンと色々な手役が見えますが、手役が色々見える時はまず、手役を完成させたうえでアガりまで何手かかるのか、「距離」を意識するようにしましょう。

「23333」をアガリ形とすると、今回の手牌は「23222」。アガリまで3手(2シャンテン)。和了(3)と表せます。ついでに言えばメンツ、ターツ、トイツが合わせて6つあるので、ターツを1つ落としてもアガリまでの手数が変わらない、メンツ候補オーバーの手であると分かります。

同様に手役つきのアガリまでの手数を表すと、三色や純チャンは引きで1手多くかかるので三色(4)、純九(4)ですが、一通は必要牌を引けばそのままアガリになるので一通(3)。一見三色や純チャンの方が狙いやすいように見えますが、アガリまでの距離では実は一通の方が近いのです。

一通より三色が狙いやすいと感じる理由は、一通を狙うならの二度受けペンチャンを残す必要があるためでしょう。確かに一度さえ引いてしまえば、789三色は確定させたうえで待ちテンパイになることもありますが、一通は待ちになっても高め条件。アガリに近い段階における手の進みやすさを「傾斜」で表現するなら、三色の方が一通より傾斜が緩やかであることは言えます。

とはいえ、いずれにせよ悪形ターツを2つメンツにする必要があるのですから、1手差の距離を覆すほどではないでしょう。「傾斜」は手牌をぼんやりと眺めるだけでも意識しやすいですが、「距離」は数える必要があるので、一昔前は距離が過小評価されがちな傾向がありました。

一通を残しつつ三色、純チャンも見るなら打ですが、私の想定解は「その他」で打をツモったところで役無しのみ手でつまらないと考えがちですが、一通変化に加え、トイツかコーツができれば三暗刻の目も出てきます。から切るのは引きでリャンメンができるよりが重なる価値が高いとみるため。三色は三色でも三色同刻です。更に言えば、現状はメンツ手2シャンテンですが、トイツができればチートイツの2シャンテンにもなります。

つまり、今回の手牌は一通(3)三色(4)純九(4)だけでなく、三暗(4)、同刻(4)、七対(4)でもあったのです。打は受け入れを狭めるだけでなく、後者の変化も失ってしまいます。

無論、三暗刻はシャンポン待ちが残ればツモった時のみ成立。三色同刻はシャンポン待ち高め条件、七対子は必ず単騎待ち。三色同順、純チャンよりも条件が厳しいテンパイになりやすいので、「距離」は同じでも「傾斜」では若干劣ると言えます。

しかし、同刻はともかく、三暗、七対に関しては、手が進む目先の受け入れ枚数「速度」ではむしろ勝っていると言えます。三色、純チャンは引き変化が必須であるのに対して、三暗、七対は何らかの牌がトイツになれば、そこからは変化を経由せずにアガリに結びつくこともあるためです。

手役がつかない安目の受け入れ拒否というのもよく使われる手筋。確かにそうすることで高目の受け入れや変化が増やせるのであれば有力になることも多いのですが、これについても、「安目拒否」ではなく、「高目優先」と考えることをお勧めします。安め拒否という発想では、「安目を受け入れた先の高目」を見落としがちです。

今回の問題はこちらより出題。当時の一番人気は打でしたが今回は打。得票率も大きく異なることから、当記事の問題に回答してくださる方には、手役より速度重視の打ち手が多いことがうかがえます。

打牌候補が非常に多いので、「その他」の中で打派がどの程度居たのかが分からないのが残念なところ。当時出題された時は、打は何とたったの2.6%! ランダムに選んだ場合の10%より圧倒的に低いことに驚いてしまいましたが、それだけの少数派だったにも関わらず、堀内プロと回答が一致していたのはちょっと嬉しかったですね(笑) 

手組の達人第29回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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