Mリーグ2021シーズンもいよいよ終盤に差し掛かり更に激しさを増している。
当記事では鈴木たろうの12月から1月にかけての際立った選択を4件紹介。「ゼウスの選択ぶり」を振り返る。
1: 聴牌外しの判断が光ったフリテン立直一発ツモ!
12月20日(月)第1試合 南2局 試合結果記事はこちら!
局は南2局。堀がややリードしている展開。
堀が自風の、オタ風のを仕掛けて手出し、ツモ切りとマンズが余ってきた。マンズのホンイツの聴牌か、テンパイに限りなく近い状況と見られる。ドラのも見えておらず、かなりの威圧感のある仕掛けとなっている。
そんな中で赤1の嵌張聴牌となった。は場に1枚。は自分から3枚見えだが、は自身で持つ1枚しか見えていない状況。が良い待ちとは決められない状況に感じられる。
ここで堀がアガリを決めるとかなりトップを決められそうな状況。ここで勝負してアガリきるのも価値は大きいが、放銃すると一気に一人沈みの4着目となってしまう場面。引きもレアケースということで、索子の4連形を活かしてたろうは打の聴牌取らずとした。
しかし次巡に引いたのはまさかのでアガリ逃しの恰好に。
ここでたろうはフリテン立直を敢行。フリテンであってもよりは待ちは信頼できること、平和の打点向上があったことなどが要素として存在する。親の堀が萬子のホンイツで聴牌している可能性が高いが、そんな状況でも貪欲にトップを狙うたろうの姿勢が見て取れた。
堀にドラのを押され、石橋の追いかけ立直も受けたが一発ツモ裏1の跳満で大きな結果を出すことに成功した。
リスクリターンの判断が難しい状況だが、裏目を活かす選択も大きな成果を得るために必要な要素と言えるだろう。
2: 仕掛けをケアしながら巧みな選択でもぎ取ったアガリ!
1月4日(火)第2試合 南2局3本場 試合結果記事はこちら!
親番で連荘していきたいたろうの配牌。現状2着目だが、供託もあり小林にアガられるとトップがやや厳しくなる状況、小林の進行は警戒していきたい。
場風のをポンしては打点の種として残し、嵌のターツを払いにかかる。
しかしなかなか手が進まず、小林の仕掛けを受け再び引いた。ここでたろうは一手遅れていると判断、仕掛けをケアしてを落としていった。
なんとこの時既に小林は聴牌。たろうは嵌張払いに向かっていたら放銃していた。
その後たろうはが暗刻に、を引き嵌テンパイ。ドラを勝負した。
その巡目で萩原がリーチ。熾烈なめくりあいとなった。
萩原リーチは待ちだったが、たろうがツモ!トップを目指す選択の中でも、小林の進行だけは食い止めたい意識がしっかり活きたアガリとなった。
3: 脅威の待ち選択Part1!
1月10日(月)第1試合 東1局 試合結果記事はこちら!
8巡目にあっさり聴牌したたろう。ドラが4枚の勝負手。なんとしてでもアガリたい局。見た目3枚切れとはいえ、見た目だけでの1枚差を重視して両面待ちに取ると思われたがここでたろうはシャンポン待ちリーチに出た。
中筋となっている。内川は放銃が危ぶまれる場面だったがを使い切って平和のアガリを決めた。
この試合のたろうはトップ。勝利者インタビューでこの場面を振り返り、何故シャンポンでリーチしたのかと問われ、「逆に聞きますが何故両面が普通なんですか?」と投げかける場面も。
「見た目は5対4で、伊達さんが国士気配だったので残りのが期待しづらいと判断したので、の出アガリ等を考慮すると充分逆転すると判断してシャンポン選択になりました」と選択の理由を語った。
4: 2600放銃回避からの12000和了! 脅威の待ち選択Part2!
1月13日(木)第2試合 南1局 試合結果記事はこちら!
3800点持ちと苦しい状況で迎えた南1局の親番、なんとか連荘を決めたいところ。ドラを使ったタンヤオ手が本線になりそうな手形。
しかしたろうに聴牌が入る前に先に南家の東城が聴牌に。
多井の捨て牌と仕掛けにが2枚、ここは嵌を固定したイーシャンテンにとる。
ようやく聴牌となった14巡目、は見た目5枚、は見た目3枚だがここでたろうはシャンポン待ちのリーチを選択。
先述の嵌聴牌を入れていた東城が引きの手替わり。が押し出される格好となりたろうが12000のアガリを決めた。2600の放銃となる場面を12000のアガリにするファインプレーとなった。
先程の3つめの選択と比べてアガリを見た1打としては理由が薄れそうな選択。この選択についてたろうはインタビューでその理由を語った。
「まずはこの局仕掛けていた多井さんを警戒していました。バックの役牌が全て枯れていたので多井さんの手はまずタンヤオだろうと思いました。その場合にが危険すぎて切り切れないと判断しました」
点棒状況が厳しい場面でもまず放銃しないことで局を続け、大きな成果を取りに行くまさにゼウスの進行と言えるだろう。