2024/8/23 シンデレラファイト シーズン3 Final。
ついに、この日がきた。
人生を変えるかもしれない舞踏会の当日だ。
2月に、みあはシンデレラファイトシーズン3への参加を表明している。
エントリーしました!!
— みあ? 日本プロ麻雀協会 (@akaam3s2) February 4, 2024
今年が最後のチャンスなので
悔し涙ではなく嬉し涙を流したいです??
シンデレラになりたい!!??#シンデレラファイトシーズン3 https://t.co/FxJq72RYPY pic.twitter.com/B13s2fijJW
プロ7年目、今年がラストイヤーのみあ。
表明から半年、晴れの日も雨の日も梅雨の時期も猛暑の夏も、シンデレラファイトのことも考えてきたであろう。
同卓者への事前アンケートでは「みあさんが一番強いと思っている」「強いので決勝で正直当たりたくなかった」と、皆がみあを強敵と認めている。
「優勝しか見てないです」
そう語るみあのFinalが、始まった。
Final は、Mリーグルールで2回戦を行い、トータルポイント1位が優勝となる。
#1
1回戦は、以下の席順で開幕。
東:川上レイ
南:みあ
西:酒寄美咲
北:鴨舞
東2局2本場、親はみあ。
みあは、以下の形で対子2組のうちのを1枚切り、からの横伸びも狙う。
を引き入れ、待ちでリーチ。
リーチの一発目、川上はドラのを切れば聴牌の形となる。
ただ、の対子落としをした後のラス目の親リーチの一発目。点棒も35300と増えている状況で、ピンフのみの手から勝負する牌かどうか精査する。
川上は、現物ので回ることを選択。
みあがをツモり、リーチ・ツモの1000は1200オール。
供託2本も大きい。
東2局3本場、3段目に入り、親のみあは以下の形で一向聴。
4枚目のが出るが、形式聴牌の鳴きはせず。
ギリギリまで親のリーチを目指す。
を引き込み、待ちでリーチ。
が3枚見えており、自身の河にが落ちている。
は1枚切れ。カンチャンだが比較的良い待ちに見える。
が、実際はは酒寄が3枚持っており、2人聴牌で流局。
東4局2本場、ラス目で点数がほしいみあ。
この手で、ではなく、迷いなくを対子落とし。打点を見た一打だ。
みあの狙い通り、タンヤオ・ピンフ・赤の高打点を聴牌し、待ちでリーチ。
2着目の川上も聴牌し、待ちで追っかけリーチ。
結果は、みあがを掴み、川上への5200は5800の放銃となった。
上と下が離れた状況で、南2局に突入。
みあは、この親番でなんとか高い手をアガりたい。
みあは高目で一気通貫が見える手でリーチ。待ちは
トップを目指す川上も、待ちでリーチ
ここまでアガリがない酒寄も、三軒目でリーチ。
3人のめくり合いは、みあの5800(リーチ・ピンフ・裏)のアガリで決着した。
ラスにならないためには、ここの南場の親でのアガリは大きな意味を持つ。
3着目で迎えた南4局。
みあは2巡目で絶好のを引き入れ、待ちでリーチ
2着目の川上は、3着目との差が大きいので上だけ見て、自身の3000・6000ツモでのトップを狙っていく。
川上から放たれたで、みあが8000(リーチ・ピンフ・赤・裏)をアガリ、3着を決めた。
#1の結果は以下。
1着 鴨舞 +79.0pt
2着 川上レイ +14.0pt
3着 みあ -23.6pt
4着 酒寄美咲 -69.4pt
みあは、#2で鴨舞との差の102.6ptを覆しにいくのが目標になる。
みあがトップをとり、鴨舞が3着以下という並びをつくりにいきたい。
#2
これが、泣いても笑っても最後の半荘。
#2は、以下の席順で開幕。
東:川上レイ
南:みあ
西:酒寄美咲
北:鴨舞
東1局、親の川上が6000オールをアガり、波乱の幕開けとなる。
南2局、7700点で南場の親を迎えたみあ。
優勝ポジションの川上は、親の安牌を持ちながら安全に手を組む。
2枚切れの親の現物待ちで七対子を聴牌。
親のみあは、待ちでリーチを宣言。
絶好のをツモリ、6000オール(リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・赤・赤)を決めた。
みあがもう一度跳満をアガれば、川上をまくり優勝ポジションとなる。
この舞台でまだ舞いたい、もっと舞いたい。
南2局1本場、みあはこちらの配牌。
を切り、ドラのの重なり、もしくは混一色を目指す。
意志のこもった一打だ。
酒寄がカンをして嶺上から持ってきたを、みあがポン。
あの配牌が、二段目には混一色の一向聴となっている。
をツモり、1300は1400オール。
親番でアガリを積み重ねていく。
試合前に、緊張していますか?と聞かれ、「いや、わくわくしています」と答えたみあ。
誰よりもこの舞台を楽しんでいるのかもしれない。
そして運命の南4局へと移っていく。
川上がアガれば優勝、親の鴨舞は連荘を目指す。そんななか、みあが条件を満たす手をつくれるかどうか。
鴨舞が連荘し、南4局6本場。
みあの条件は、3000・6000ツモor鴨舞から直撃5800以上。
みあの配牌はこちら。条件を満たす材料は、足りた。
三段目に差し掛かった頃、鴨舞が待ちでリーチ。
鴨舞からリーチ棒1000点が出たことで、みあの条件は3000・6000ツモから2000・4000ツモへと変わった。
直後、みあがを手繰り寄せた。
混一色・七対子・赤 or 混一色・白・赤、どちらでもリーチをかけなくても条件を満たす。
みあは、をそっと河に放つ。
待ちは
をみあがツモるか、鴨舞のアガリにならないが鴨舞から出れば、みあの優勝。
魔法使いも王子様もいらない。
ガラスの靴は、自分の力で掴んでくるのだ。
持ってくる牌にぐっと力が入る。
結果は…
鴨舞がを引き寄せ、リーチ・ツモで1000は1600オールのアガリに。
みあはどんな気持ちで、同じ待ちのを見ていただろう。
このが運命を変える一枚になった。
何年も、もしかしたら一生、夢に出るかもしれない。
南4局8本場で終幕。
シンデレラファイト シーズン3優勝は鴨舞。
みあは3位となった。
みあは、本大会スポンサーのFIREBIRDの店長を務めており、もう一人の店長である三浦ももこは初代シンデレラである。
お店にWシンデレラを掲げたかった。
強敵と認めてくれた選手たちの目標の存在になりたかった。
なにより、応援してくれるファンの方々の期待に応えたかった。
最後の涙は、悔し涙という一言では言えない。
シンデレラファイトへの全ての想いが詰まった涙だったのだ。
今年でみあのシンデレラへの物語は、幕を閉じた。
新しい舞台で、今度は嬉し涙を流しているみあの姿をぜひ見たい。
Day8 Final 結果レポート
決勝戦 各選手視点観戦記
▼3代目シンデレラになるために〜鴨舞が箱下から積み上げた29200点〜 【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 鴨舞視点 担当記者・中島由矩】
▼川上レイから笑顔を奪った日 【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 川上レイ視点 担当記者・坪川義昭】
▼「悔し涙ではなく嬉し涙を流したい」みあが最後に流した涙は…【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final みあ視点 担当記者・神尾美智子】
▼ラスるために勝ち上がったんじゃない、けれど〜酒寄美咲は人を愛し麻雀を愛す〜【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 酒寄美咲視点 担当記者・中島由矩】
公式HP