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もっと勝つための現代麻雀技術論 第107回 「2シャンテン片アガリの鳴き判断」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第107回 「2シャンテン片アガリの鳴き判断」

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 今回から2シャンテン(面子候補が足りていて、片アガリテンパイになる可能性がある)のケースを考えます。

  第97回(役有り確定2シャンテン)で、「スルーして3巡後良形ターツが面子化して1シャンテンになった場合に、良形からはまだ鳴かない方が有利」になる手牌であればスルーを一つの基準とするとしました。今回もその基準を活用しますが、注意すべきことは、1シャンテン→テンパイの段階で役がつく牌をツモるか鳴いた場合は片アガリテンパイにならないということです。

  第94~第96回第103回~第105回の鳴き基準を比べてみると、役有りテンパイ確定になるか、片アガリテンパイになるかで分岐点が結構変わってくることが分かります。よって、2シャンテンからの鳴き判断は、テンパイ時に役有りが確定しやすいか、片アガリが残りやすいかによっても分岐点に変化があると言えそうです。

 一般的に、1つ鳴くだけなら、その鳴きがタンヤオを否定する仕掛けで役牌をトイツ以上で持っていることが読まれやすい場合でも、鳴いたために役牌を絞られてしまうことは多くありませんし、1シャンテンの段階では役にならない方のトイツがアンコになってもテンパイ時にフリテンが残ることはありません。

 よって、役牌トイツがあって面子候補が足りている2シャンテンについては、役有り確定2シャンテンの場合と同程度の基準で鳴きます。(例えば、タンヤオ確定で平和がつかないドラ0の完全1シャンテンの場合、鳴きの分岐点は9巡目なので、2シャンテンで役牌トイツ以外は良形面子候補が揃っているドラ0の手の場合は6巡目くらいから鳴く)

 

 一方、上家からを鳴けることは、任意の他家から役牌をポンできる可能性に比べると低いので、の面子候補を残す食いタン狙いの鳴きは片アガリの形が残ることが多くなり、先にを引いてフリテンが残るリスクも高くなります。

 よって、の形を残して食いタンで鳴く場合は、「スルーして3巡後にが残る高めタンヤオ1シャンテンになった場合に、片アガリテンパイになる牌を鳴くかどうか。」で判断します。(例えば、高めタンヤオで平和がつかないドラ0のリャンメン×2の1シャンテンの場合、片アガリのなる牌を鳴く分岐点は11巡目なので、2シャンテンで良形面子候補が揃っていて余り牌を持つドラ0の手の場合は8巡目くらいから鳴く)

 役牌は比較的鳴きやすいとしましたが、こちらの鳴きが役牌後付けかつ高打点と他家から読まれやすい場合は、簡単に役牌が切られず絞られることが予想されます。この場合はタンヤオ片アガリの場合と同様、「スルーして3巡後に役牌トイツ含みの1シャンテンになった場合に、片アガリになる牌を鳴くかどうか。」で判断します。

 高打点である時点で基本は絞られることはそこまで考慮せず自分の都合で進めればいいですが、序盤でいきなりからを鳴いて、役牌トイツを刻子にする以外に役をつける手段がない形にするのは、高打点の場合でも有利と言えるかは微妙なところになります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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