前回の問題の解答、解説です。
今回の問題に関係することの中で、最強戦ルールと天鳳ルールの違いは、リーチ後にアンカンできるケースについてです。最強戦ルールは、4枚目の牌を引いた時にアンカンできるのは、「4面子1雀頭を作るうえで、暗刻としてしかみなすことのできないもの」だけですが、天鳳ルールでは待ちさえ変わらなければカンが可能です。
つまり、の形でリーチしてを引いた場合、をカンしても待ちであることには変わりませんが、++とを雀頭としてみることも可能なので最強戦ルールではカンできませんが、天鳳ルールではカンできることになります。
ここに気づけば、後は単騎待ち以外にも当たらないように条件を作るだけです。
よって答えは、「が通っている、または4枚見え(リャンメン待ちを否定)」かつ、「4枚見え(カンチャン、ペンチャン待ちを否定)」かつ、「3枚見え(シャボ待ちを否定)」かつ、「リーチ後にリーチ者がをアンカンしている(単騎待ち、最強戦ルールならのケースも否定される)」となります。
リーチ後のアンカンについては、「暗刻の牌がツモってきた牌と同じであり」かつ、「4面子1雀頭を作るうえで暗刻としてしかみなせない」ものに限るというのが最も一般的です。
近代麻雀の付録として最強戦ルールを元にした公式ルールブックが発行されましたが、こちらでは、「ツモってきた牌と同じ牌であり」かつ、「待ちが変わらない場合」、但し、からをカンすると、厳密にはをカンチャンで待つ形が無くなるのでカンできないという説明がありますが、実はこれだけでは説明として不十分です。
何故なら、
でリーチした場合も、待ちは全く変わらないにも関わらずはカンすることができないからです(の順子×3ともみなすことが可能であるため)。
「手牌構成が変わらない場合のみカンできる」と書かれる場合もありますが、「高目取りで四暗刻の形なのだから、の順子×3で取るはずがないのに何故手牌構成が変わると言えるのか」という疑問に対して十分に説明できているとは言えません。
よって私は、「カンすることになる暗刻を、4面子1雀頭を作るうえで暗刻としてしかみなせない」と説明するのが適切であると考えます。
このルール下では、
の形でリーチしてをカンすると九蓮宝燈が消えますがカンすることは可能です。
他の手役が消えるカンはいずれも、「暗刻としてしかみなせない」というルールに反しているから出来ないのであり、「役が消えるカンはできない」というルールがあるからではありません。(なお、ルールによっては「役が消えるカンはできない」と明記されている場合もありますし、中にはをカンしても九蓮が成立するというルールまであるそうです。)
役が消えるカンができないルールであっても、役を増やすカン(三槓子、四槓子)については特に制限があるという話は聞きません。こうしてみると、打牌選択にほとんど影響しないルールにも関わらず非常にややこしいですね。
ルールの違いが無数にあるのは、ある意味麻雀の魅力かもしれませんが、個人的には、リーチ後のカンは一切無しとするのが合理的だと思います。
次回から講座31「安全牌が少ないときの押し引き」の補足に入ります。
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