今回は前回出題しました問題の解答、解説です。
東パツ配牌
ドラが何なら打より打が有力になるかという問題でした。候補になりそうなドラについてそれぞれ検討してみます。
ドラの場合
打としてを引いても打でリーチするので、ドラが使えるのは先にを引いた時のみ。一方、打とした場合は、ツモだけでなく、ツモでも高めイーペーコーになるので、より高打点になる受け入れ枚数で打の方が勝ります。
「手役よりドラ」という言葉がありますが、これは一般論としてはドラの方が手役よりつけやすいという意味で、今回のように手役の方がつきやすい場合は手役を優先すべきです。
ドラの場合
テンパイする受け入れについてはドラの場合も同じですが、今回は打とした場合にドラが重なる変化があります。
しかし、とした場合も、ツモで打としてタンヤオがつく変化があります。ドラが重なった場合はリーチで4翻以上確定、タンヤオがつく場合は仕掛けてテンパイがとれるようになるとはいえ、イーペーコーがつかないとリーチで3翻止まりのケースがあるので、変化面では側が有利です。
とは言っても、変化よりも先にテンパイする可能性の方が高く、変化を含めたうえでも、打の方が有利になるツモが多いのですから、まだ打の方が勝るとみます。
ドラの場合
ドラ場合は、打とすればリーチで4翻以上確定、打はツモだとリーチで40符3翻止まりのケースがあります。イーペーコーがついても跳満に届かないケースもあるので、ドラが無い場合に比べると打も有力になります。
ただし、一発ツモ裏ドラ込みの平均打点は、リーチ40符3翻は約7100点、リーチ4翻(満貫)は約8900点、リーチ5翻は約10800点。安め4翻高め5翻でも約9800点が見込めます。打として40符3翻止まりになるツモはのみなのに対し、イーペーコーはツモでつくのですから、それでも基本は打が勝ると言えます。オーラス満貫出アガリ、もしくはダマ30符3翻出アガリで逆転できる場合なら打の方がいいですね。
ドラの場合
実は最も有力そうなのはドラの場合です。ドラならイーペーコーをつけようとするとドラを切ることになるので、イーペーコーがつく打点的メリットがありません。
がドラ表示牌なのでテンパイする受け入れでは1枚減りますが、より高打点になる受け入れではいよいよ打の方が有利になりました。
しかし、今度はドラ引きがあります。打ならツモで打として、タンピンドラドラ高めイーペーコーでダマでも4翻以上、リーチで5〜6翻の手になります。一方打ツモなら打として完全1シャンテンではありますが、ツモなら打リーチで30符3翻止まりと打点面で大差です。
また、打として序盤のうちにツモなら、即リーチより打のテンパイ外しが有力です。ツモで待ちはリャンメン以上のまま打点が1〜2翻上昇するので、巡目が十分にあるなら手変わりを待つだけの余裕があると言えます。
難しいところですが、平和の1翻は符がつかないので他の1翻手ほど目先の打点差がつかない一方、ドラツモの変化は打が明確に有利であること。配牌なので巡目にかなり余裕があり、手変わりしたうえでアガリになることも多いことから、それでもまだ打が有力と判断します。中盤以降は打でしょうか。
ツモの場合あたりはかなり見解も分かれそうですが、以上の理由から、ドラが何であっても、東パツ配牌という条件下ならドラが何であろうと打は最善にならないと私は判断します。
全て挙げなさいとあっても、解なしというのも解答としては適切です。前のシリーズの時からそうですが、意地の悪い問題ばかりですみません(笑)
本記事に関するご紹介
ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。