第1章 手順
(6)リャンメンカンチャンとリャンメントイツは面子の作りやすさでは互角なので、後は打点、手役面でどちらが有利かを決めればよいです。今回に限らず、「アガリ率は大差ないので、打点が高くなる方を選択」することはよくあります。
打点は1翻上昇するだけで2倍近く上がることもある一方、シャンテン数に差がなければ、アガリ率で2倍近い差がつくことはまずないためです。無理に手役を狙う必要性はあまりないですが、出来る可能性のある手役を見ておく必要はあります。
個人的には、リャンメントイツと同様、リャンメンターツが強化された面子候補であるということが名前からも分かりやすいので、リャンメンカンチャンという言葉に特に違和感はありません。ただリャンカンチャン(リャンカン)と混同しやすいという難点は確かにありますね。
(7)「もっと勝つための現代麻雀技術論」第16回で同様の内容を取り上げさせていただきました。手牌Cのように、雀頭固定すべき手で面子候補をリャンメンに固定するミスをしがちなのは、面子を作ることにとらわれすぎて、アガリには必ず雀頭が1つ必要であることを失念しやすいためです。同じトイツであっても、「面子候補としてのトイツと、雀頭候補としてのトイツ」は区別して考えるようにしましょう。
ただし、単独のトイツを雀頭候補と決めつけていると、雀頭が振り替わった時の手変わりを見落としやすくなります。繰り返しますが、手役を狙うかどうかは別として、出来る可能性のある手役は見ておく必要はあります。
手牌E,Fの解説でも触れられていますが、面子候補固定にしろ雀頭固定にしろ、「よりよい手」を目指すのが原則とはいえ、どんな手が「よりよい手」なのかは局面によって変わる場合もあります。単にこの形なら何切りと覚えるだけでなく、「どんな条件があれば、他の牌を切る方がよいか」も考えてみると勉強になると思います。
「どんな条件があれば、他の牌を切る方がよいか」を考える練習として、ここで一つ問題を出します。手順(6)の手牌Bは基本打としますが、東パツの配牌であるとして、ドラが何であれば打とすべきでしょうか。複数考えられる場合は全て挙げて下さい。解答は次回発表します。
手牌B
本記事に関するご紹介
ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。