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ネマタの天鳳日記 第192回

ネマタの天鳳日記 第192回

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01

 メンツ候補オーバーですが、メンツが出来た時はタンヤオがつく分、受けが無くてもピンズカンチャンを残していた方がよりよい手。しかしタンヤオ狙いで打とするとトイツが出来た時にチートイツ1シャンテンを逃します。シャンテンの進み方で残ったメンツ候補(今回は)のどちらを切るか判断が変わる場合はメンツ候補オーバーに受けるのが有力になります。

02

 1シャンテンになるうえに鳴いてもタンヤオドラ2〜3とまずまずの打点ということで鳴きましたが、よりもから鳴いた方が明確によりよい1シャンテン。ポンもマンズ変化が残るので、ポンは手が進む鳴きの中で最も劣ります。これならスルーがよかったでしょうか。

03

 苦しい形が残りましたがテンパイ。

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 他家に動きが無く、1回多くツモるに越したことはないのでカン!

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…おや、リンシャン牌をツモって来ませんよ?

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…あっ

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 何と一撃で飛んでしまいました。流石にここまで高いダマテンに刺さることは想定できませんが、本当に「事故」で済ませてよいものなのか気になりました。

08

 ポイントは東家の直前の手出し。テンパイかどうかは分かりませんが、もしがテンパイ打牌だとすればどこが待ちの候補でしょうか。そうです。を切っているのにここまでを引っ張っているのですからはメンツ候補の一部。は4枚見えているので、あるとすればからの打です。
 マンズがメンツになった場合は他の色が待ちになりますが、8枚あるのうち7枚までもが見えています。よってからの打である場合、待ちにならないのは最後のを引いた時のみ。よって東家は、「テンパイかは分からないが、テンパイだとするとかなりの高確率で待ち」ということになります。アンコ筋は一般的にはさほど気にするほど危険になるわけではないですが、元々の待ちがかなり絞れている場合は、アンコ筋であることによる危険度の上昇も大きくなります。
 また、既に巡目がかなり深く、は東家視点で生牌なので、テンパイ料さえ厳しい手牌ならわざわざ率先して切られない牌であることから、東家がテンパイしている可能性自体もそれほど低確率とは言えなさそうです。待ちが薄く巡目が深いと言っても安手テンパイなら即リーチを打つのが合理的なので、ダマだとすれば高打点の可能性が高いということも言えるでしょうか。この辺りは他家の打ち筋によって判断が変わりやすいのであまりあてにはならないですが、ここまで条件が揃っている以上降りる手まであったように思いました。

 一般論としては、ダマテンは基本気にしませんが、実戦で警戒すべきダマテンがあることもまた確かです。「ノーテンだとすると不自然」なケースは目につきやすいのでケアしやすいですが、「テンパイと仮定すると高確率で当たり」なケースについては、テンパイと思っていない他家の待ちを読もうとは思わないのでなかなか難しいです。下手に警戒すると今度は無駄に降りてアガリを逃すことが増えてしまうのも難しい理由ですが、警戒すべき時だけ警戒できるだけの技量を兼ね備えた打ち手になりたいものです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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