中嶋和正プロは、トリッキーかつ大胆なプレイスタイルで活躍する注目の雀士である。その実力は所属するトップリーグで鎬を削り、2回のタイトルにも輝いていることからも、折り紙付きであるといえるだろう。そんな中嶋だが、プロ雀士として活動する傍らで会社員として生活を送るという、二足の草鞋を履く意外な経歴を持つ。今回は。そんな中嶋の麻雀のバックボーン、そしてその雀風について迫る。
目次
中嶋和正の基本情報・プロフィールデータ
名前 | 中嶋和正(なかじまかずまさ) |
生年月日 | 1982年2月16日 |
職業 | 麻雀プロ・会社員 |
出身地 | 千葉県 |
血液型 | A型 |
趣味・特技 | 人狼 |
本人公式SNS | |
所属団体 | 最高位戦日本プロ麻雀協会 |
プロ入会年 | 2008年 |
主なタイトル | 第24・27期 發王位 四神降臨2019王者決定戦 |
中嶋が、プロ麻雀団体へ入会したのは2008年。当時、流行りであった「デジタル派」世代であり、中嶋もまたその一人と呼べる。20代の頃は、順調にキャリアを積み、A1リーグまで上りつめた。そして、2016年の「24期發王位」で遂に初タイトルを手にしたのだ。
また、私生活では人狼ゲームが趣味と公言し、そのキャリアは10年ほどになる。「麻雀スリアロチャンネル・人狼スリアロ村」のネット配信にも出演しており、普段とは違う中嶋が見られると好評のようだ。
経歴
2008年:最高位戦日本プロ麻雀協会入会
2016年:第24期 發王位 優勝
2019年:第27期 發王位 優勝
麻雀との出会い・きっかけ
幼いころの夢はプロ棋士だったという中嶋。当時の実力は相当なもので、8~9歳のころは小学生の竜王戦で優勝を飾っていたほどである。そんな中嶋が、麻雀に出会ったのは大学生の頃。きっかけは、友人からの誘いであった。中嶋はすぐにその魅力の虜となり、一人でフリー雀荘に入り浸るようになった。
そんな「麻雀漬け」の大学生活中、中嶋は村上淳プロや園田賢プロなどトップクラスの雀士と出会うことになる。そして、この出会いが刺激となり、プロを目指す大きなきっかけとなったという。
中嶋和正の打ち方や雀風
中嶋の雀風は「超スピード型鳴き麻雀」といえる。中嶋は、所謂「ネット雀士」の1人であり、早さ重視のオンライン麻雀に対応するため、スピード型のスタイルに至った。そして、中嶋はそんなスピード型の中でも、特に積極的な仕掛けを多用する攻撃型のスタイルといえる。そんな中嶋の「仕掛け」は、トッププロたちでも驚くものが多い。2020年に行われた「第45期最高位戦A1リーグ」では、中嶋らしいトリッキーな仕掛けが多くみられた。
中嶋和正の対局時の様子
第45期最高位戦A1リーグ第12節東4局|2020.11.23
最高位戦日本プロ麻雀協会のトッププロたちが集うA1リーグの最終節、そこで中嶋らしい一局が生まれた。東4局、親番を迎えた中嶋はイーシャンテンの好配牌を手にする。形としては雀頭が無く、回しながら少しでも良い最終形を探していきたいところ。しかし、中嶋はこの手を6巡目にテンパイすると、単騎待ちの即リーチを仕掛けたのだ。
親のリーチに警戒し守りに入る他家だが、最終的には近藤プロからアタリ牌がこぼれおち、3900点の直撃に成功する。結果的には親リーで相手のスピードを落としつつ、意外な仕掛けで場を混沌とさせる中嶋らしい一局だったといえるだろう。
第45期最高位戦A1リーグ第12節南4局|2020.11.23
同じく、最高位戦A1リーグの最終節から「これぞ中嶋」と呼べる闘牌があった。
オーラス、中嶋は2着を大きく引き離す1着で親番を迎える。配牌は受けられそうなターツも無く、お世辞にも良い手とはいえない。一歩引いて見に回るのが定石といえるだろう。しかし、中嶋はこの配牌で2巡目からポンを仕掛ける。すると、そこから手が入り7巡目にテンパイ。結果的に、この手が成就し中嶋は1位をキープすることに成功した。
第45期最高位戦A1リーグ第5節|2020.8.12
早仕掛けが印象的な中嶋だが、ただ早いだけではない。この一戦では、麻雀の精度の高さとデジタルに裏打ちされたその実力が伺えた。
南2局、南家で迎えた中嶋。この局は、字牌1枚に2面子と早いアガりが期待できる好配牌であった。案の定、早く手が進みペンチャンかノベタンでのテンパイが見えていた。しかし、中嶋はどちらのテンパイもとらず、両方外すという選択をする。誰もが予想しない意外な仕掛けに出た中嶋。その後、両面の好形となったリーチに成功し、満貫をツモあがることとなる。
【8/12(水)12:00】第45期最高位戦A1リーグ 第5節a卓
SNSでの評価・評判
中嶋は、2019年「麻雀スリアロチャンネル」の看板企画、四神降臨に登場する。予想がつかない一局で、見るものを圧倒させた。また、同じ協会の雀士からは、ものごしが柔らかく、接しやすいと好印象を持たれている。実力のある雀士だが、人格も優れているようだ。
「四神降臨」を視聴していた日本プロ麻雀協会の浅見プロからは、「予想がつかない展開だった」と、中嶋の実力に驚きを隠せない様子だった。
平成最後の四神降臨王者は
— 浅見真紀 (@makimakinncho) April 30, 2019
中嶋和正プロでした!!!!!
おめでとうございます㊗️?㊗️
オーラス三つ巴で、誰が勝つのか全くわからない展開。しかも全員テンパイ。
震えました…!!
私のカメラロールから、ちょうど3年前の中嶋さん。
あれ…
なんか今と細さが違う…
とにかくおめでとう! pic.twitter.com/EIAC1R8GvX
最高位戦日本プロ麻雀協会の梶田プロからは、「麻雀が強いのに、空気がやわらかくて威圧感がない」と慕われている。対局だけでなく、内面でも評判が良いようだ。
FACES第6回目は中嶋和正さん!
— 梶田琴理 / ぴっぴ (@pipppppppi) December 15, 2020
とっても強いのに纏っている空気がやわらかく威圧感がなくて、こういうAリーガーの方もいるんだなぁと思ったのが第一印象でした☺️
執筆は成田裕和君(*・ω・)ノ https://t.co/zHcNx1lBQh
中嶋和正のニュース・こぼれ話
趣味の人狼を始めた意外なきっかけ
プロ麻雀として生活すると、人前で話をする機会も増えてくる。そこで中嶋は人狼に参加を決意したのだ。苦手なことを克服するために一歩を踏み出す姿勢が素晴らしい。しかし、人狼に参加して得られたものは、コミュニケーション能力だけではなかったようだ。中嶋は「一歩踏み出してなかったら絶対会えない人たちと交流できる。人前に出るのいつも緊張しながら、しっかり楽しんでるよ。」とコメントしている。
2021年の中嶋和正は大会を休養
ここまで、順調にキャリアを積み重ねてきた中嶋だが、2021年は大会を休養することをTwitterで報告した。2020年の、第45期最高位戦A1リーグでは、実質最下位となった中嶋。一度自らの麻雀を見直し、次のステップアップのための準備期間を、2021年に定めたようだ。オンライン麻雀出身の中嶋だけに、闘牌の機会は十分にある。中嶋の今後の更なる飛躍に期待したい。
報告遅くなりましたが昨今の情勢等を踏まえて今期のリーグ戦を欠場することにしました。
— 中嶋 和正 (@kazumasa216) February 17, 2021
応援していただいた方々には大変申し訳ありません。
休場中も精進を続けてパワーアップしてから復帰致します。