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もっと勝つための現代麻雀技術論 第21回 「浮き牌の残し方」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第21回 「浮き牌の残し方」

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2面子形1シャンテンの浮き牌の残し方

 「手作りは内に寄せる」というセオリーがあります。手作りの基本ですが、これも手牌の形によりけりです。2面子形で浮き牌が残る1シャンテンというのは、図で表せば以下のようになります。

  ⓪ ⓪⓪①① 2 (2が余りの浮き牌)

  アガリ形は4面子1雀頭ですから、「今持っている面子候補よりもよい面子候補」を作るような浮き牌でなければ、手作りのうえでは不要です。不要な浮き牌であれば、将来他家がテンパイした時により安全になる牌を残した方がよいことになります。

  ひたすら面子作りに力を入れようとしていると、手作りのうえで不要な牌まで残しがちになります。確かに正しくベタオリできる技術が身についているなら、意識的に安牌を残さなくても放銃を避けることはそれほど難しくはありません。しかし、安牌を残していれば、危険牌を切らずに追いついてアガリや流局時のテンパイ料が取れていたのを逃してしまう場合もあります。安牌を残すのは守備のためだけではなく、攻めるためでもあるのです。

  一方、面子候補不足の段階では、浮き牌が面子候補になるだけでシャンテン数が進むので、どんな浮き牌でも手作りのうえで不要になりません。「手牌がアガリに遠い時は、1枚は安全牌を残しながら打つ」と言われることもありますが、序盤でメンツ候補が足りない段階から安牌を抱えながら打とうとしてアガリ率を大きく落とすような打ち方をしている人もよく見受けられます。

  浮き牌の価値は、面子候補が足りているかどうかで大きく変わります。第1回でも申しましたが、「現麻本」で、手牌のパターン分けにこだわっているのはこのためでもあるのです。 

 

手変わり牌と安牌の比較

  不要牌同士であれば、より安全な牌を残すことになりますが、「手変わりが残るが将来危険になりやすい牌」と安牌、どちらを残せばよいでしょうか。

  これについては、「どの程度他家の先制テンパイが入りそうか」「他家のテンパイが入った場合にどの程度危険になるのか」が場況によって変わってくるので、実戦では手牌だけで判断するわけにはいきません。

  ただ、場況に応じた判断をするためにも、一定の基準を作っておく必要があります。現麻本では、中盤の2面子形1シャンテンについては、「安牌を残しても他家のリーチが入ればすぐ降りる手が、1シャンテンからでも押せるようになる手変わりがある。」なら手変わり残しを一つの基準にしています。

  受け入れを狭めるような安牌残しは基本的に損ですが、多少手変わりがある程度なら、実戦では安牌を優先することが多いです。手変わりしてもリーチが入ればすぐ降りる手なら、手変わりを残すメリットは小さく、むしろ安牌を残せば危険牌を切らずに追いついて結果的にアガリに結びつく場合もあるからです。逆に、1シャンテンからでもリーチに押せる手であれば、やはり手変わりを残すメリットは小さく、他家がリーチした時に勝負する危険牌の枚数が減ることによるアガリ率の増加はなおさら重要になります。

  実戦では安牌を残すことも多いとはいえ、安牌を抱えることを先に考えてしまうと、他家のリーチが入っても押せる手になるような強い手変わりを見逃しがちになります。逆に、少しでも手変わりがあるなら安牌残しは考えないように打とうとすると、放銃率が上がるだけでなく結果的にアガリ率も落としてしまいがちです。どちらも、手作りのうえで残す牌と安牌とを別々に考えていると犯しがちなミスです。安牌を抱えるのも抱えないのも、「よりよい手」を目指すための手作りの一環なのです。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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