今回から講座9、ヘッドレス形1シャンテンの選択の補足に入ります。
ヘッドレス形1シャンテンに取れる14枚の牌姿を、第1回の方法で分類すると次の3通りに分けられます。(右の2は浮き牌を表す)まずは面子候補1つの場合の打牌選択を考えます。
① ⓪⓪⓪① 222 (3面子1面子候補)
① ⓪⓪⓪① 12 (3面子2面子候補)
① ⓪⓪⓪① 1 (3面子1面子候補、浮き牌無し)※面子候補の1つがリャンカン
ヘッドレス形1シャンテンは、面子か雀頭ができればテンパイ、つまり面子や雀頭を作るツモは受け入れですが、浮き牌から面子候補ができるツモは変化です。
面子候補1つより面子候補2つの方が受け入れ枚数で勝るので、ヘッドレス形の場合も強い面子候補ができやすい浮き牌を残すメリットはありますが、変化より受け入れ優先。面子候補より雀頭を作ることを優先します。
ヘッドレス形1シャンテンで、雀頭がある場合より優先して残す浮き牌には以下のようなものがあります。
単騎テンパイを含む多メンチャンに受けられる面子+浮き牌の形
順子+浮き牌であればやの形、刻子+浮き牌であればのような形、いわゆる「変則多メンチャン」の形です。のような4連形は雀頭がある場合でも価値が高いですが、他の形は雀頭がある場合より価値が高くなります。
刻子+浮き牌の形に関しては、他に雀頭がある場合は刻子を自分で使っている分受け入れが狭くなるので浮き牌の価値は低くなります。雀頭があるかどうかで明確に価値が変わる牌の組み合わせには注意が必要です。
のような中ぶくれ形は雀頭ができるツモは1枚少なくなりますが、強い面子候補を作る変化は豊富なのでヘッドレス形であっても通常の浮き牌よりは優先的に残します。
変則多メンチャンの形は複雑なものについては待ちを見抜くのも難しくなります。「現麻本」では容量の都合で取り上げていませんが、多メンチャン形の待ちの見抜き方についても後日触れたいと思います。
単騎待ちになった場合にあがりやすい牌
字牌は面子候補を作りにくいですが、待ちになった場合はあがりやすい。1シャンテンなら手変わりするより先にテンパイしてしまうことが多いですから、第12回同様、ヘッドレス形でも変化より待ちの強さを優先します。
ただし、他によりよい待ちに受けられる牌があるなら残す必要がなくなります。つまり字牌を2種以上持つ必要はないですし、上記のような変則多メンチャン形がある場合も抱える必要はないので、面子候補ができやすい浮き牌を残した方がよいことになります。
単騎を含む多メンチャン形を作る浮き牌
ののような牌が該当します。ヘッドレス形1シャンテンならツモで待ち、ツモでも待ちテンパイになります。
雀頭がある場合は価値が低くなるので無意識のうちに切りがちになる牌です。これもツモで他によりよい待ちに受けられる牌があるならメリットがツモのテンパイだけになるので残す必要性が薄れます。
5(赤5入りの場合)
赤5引きでテンパイする方がいいですね。これは分かりやすいと思いますが、実は雀頭がある場合は赤アリであっても、赤くない5よりは37牌の方がやや重要です。
赤アリでも待ちが端に寄せるメリットは十分にあるというのもありますが、そもそも赤5を使える面子候補ができる牌が、3を残した場合は4と赤5で5枚あるのに対し、5を残した場合は3枚しかないためです。(切った後に同色の赤5を引いた場合も、5を切っていたほうが3を切った場合よりフリテンになりにくい)
細かい差ですが、「赤ナシなら37が重要だが赤アリなら5を中心に手作りをする。」と言われることもあるので、意外と意識されてないことが多いように思われます。
ヘッドレス形の浮き牌選択についてはここまで。次回は面子候補2つの形に受けられるケースについて取り上げていきます。
この連載の目次ページを見る