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もっと勝つための現代麻雀技術論 第176回 「最終盤の押し引き」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第176回 「最終盤の押し引き」

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最終盤の押し引き

 基本的に巡目が遅いほど自分の手のアガリ率も、降りた場合の他家のアガリ率も下がるので降りることが多くなりますが、流局間際になるとテンパイ料もあるので、最終盤だからこそ押せることもあります。

 一番分かりやすいのが形式テンパイの手(形テン、鳴いて役無しの手)。巡目が早い段階で形テンになっても、アガリ目がないまま他家の攻撃が入れば降りるだけの手になってしまいますが、残りツモが1回も無いなら、形テンでもあらゆる1シャンテンの手に勝ります。

 逆に言えば、残りツモが無ければ、役有りの良形高打点テンパイも形式テンパイもあまり押し引き判断に差が無くなります。よって重要になってくるのは、テンパイに取るために切る牌がどの程度他家に通るかになります。

 残りツモが無ければ、危険牌を切って良形高打点に受けるより、安全牌を切って形テンに受けた方がよくなります。うっかり形で危険牌を切って放銃するようなミスは避けたいですね。

 とりあえず麻雀研究始めてみました - 形テン押し引き表

 形テンの押し引き表です。局収支的には残り1巡で子対子の場合、両無スジ456以外は押し、親はテンパイなら両無スジ456でも押し、リーチ者が親なら無スジ勝負は厳しいが比較的通りやすい牌なら押しというところです。

 最終盤なので切る牌の放銃率も高くなっていますが、序中盤のテンパイと異なり、通れば高確率で加点、言うなれば、安手とはいえ通りさえすればアガリが約束されたような手をテンパイしているようなものですから、見た目以上に押すのが有力になるわけです。

 但し、最終盤の押し引きに関してはいくつか注意すべきことがあります。

 一つ目は、他家の河によっては待ちがかなり絞れて、牌の危険度が変動することも多いということ。第174回でも申しましたように、「通ったスジの本数」を意識するようにします。

 二つ目は点数状況。多少の加点失点が順位にあまり影響しない局面であれば、高打点への放銃だけは避けるために降りというように判断が変わることも考えられます。

 三つ目は、巡目が残っていれば、危険牌を勝負しなかったからといって流局時にノーテンになるとは限らないということ。

 例えば巡目が残っていて、からを切れば形テンにとれるが危険度的に微妙、一方は確実に通るというのであれば、打としてにくっつけばテンパイ取り、にくっついた場合にを勝負するかはその時に判断(残りツモが無く、の危険度も特に上がらなかったので押しなど)するというのが有力です。

 基準自体は間違っていなくても、実戦の局面では基準をそのまま適用できるとは限らない場合も出てきます。基準通りに打つというのは、よりよい結果を残すための手段であって目的ではありません。局面を基準に合わせるのではなく、基準を局面に合わせるように心がけたいものです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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