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ネマタの戦術本レビュー第84回「新次元麻雀 著:ASAPIN その2」

ネマタの戦術本レビュー第84回「新次元麻雀 著:ASAPIN その2」

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第一章

5 ホンイツ狙いの場合の他色のドラや、タンヤオ狙いのヤオチュウ牌のドラといったケースは別として、手の内で使いやすいドラが出て行く手牌を考えると、ほとんどのケースは1シャンテン以内になっていると思います。
 今回は親で安牌が残る形なので結局鳴いて手を進めますが、「この牌が切られるなら、○シャンテン以前とは考えにくい」という読みによって判断が変わることはよくあるところ。
 強い情報を見落とさないようにしたいところです。

6 基本的に、鳴いてもほぼ安全に降りきれるのでなければ、一発を消すためだけの仕掛けは損です。
 逆に言えば、ほぼ安全に降りきれる場合、あるいは点数状況的に一発を消すことに大きな意味合いがある場合は、最悪のケースを少しでも回避できるよう一発消しをする方がよいことになります。

7 字牌同士の細かい話は色々ありますが、結局のところ、相手にとって価値が高いほど放銃の危険度も上がるということですね。

8 「ここでこの牌を切るということは、ノーテンとは考えにくい」「たまたまテンパイしている可能性は有り得る」「ただし放銃はレアケースの範疇なので、形テンにとれるならとる」このあたりは実戦でも何度となく用いる可能性の読みです。
 一つ一つは地味なものですが、利用頻度自体は高いので、戦績に与える影響もまずまず高いと言えます。
 積み重ねていく姿勢が大切とありますが、実戦でここまで読むのは相当労力が入ります。
 私はそこまでの能力が無いので、「どのような読みを入れられるなら打牌判断が変わるか」を先に考え、判断が変わるような読みを入れられそうなところに集中し、そうでないところは切り捨てる方針で打牌選択をするようにしています。

9 降りてツモられた時に、振った時と結果がさほど変わらないようであれば、自分がテンパイならまず押します。
 天鳳で守備を意識しているつもりなのに勝ててない人は、この手の、「ラス回避のためにも押すべき」ケースで押せてない人が多いのではないでしょうか。

10 赤切り引っ掛けがどの程度あがれるのかは具体的な統計データがあるわけではないですが、中盤のスジ37待ち全体のアガリ率が約50%、通常の悪形37待ちが約40%、他家が全員降りる場合の悪形待ちが約30%というところ。
 スジ引っ掛けには宣言牌のスジのように、スジとはいえいかにも警戒されそうな待ちになる場合もあるので、スジ待ち全体のアガリ率よりは高いとみます。
 それなら今回のように、元々の打点が高く、1翻下げても打点がそこまで落ちない手牌については赤切り引っ掛けが有力と言えそうです。

 

本記事に関するご紹介

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第1章では、思想が実戦の場でどう具現化するかが立体牌図を使って詳細に解説されています。第2章は、なんとケイテン(形式テンパイ)にまつわる戦術のみで構成。第2章はASAPINにしか書けない内容といっていいでしょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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