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ネマタの戦術本レビュー第263回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その10」

ネマタの戦術本レビュー第263回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その10」

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レッスン15

 p65の手牌、今回は局面的には絞りを考慮に入れたいですが、打ならかなりアガリが見込める1シャンテン、を止めると良形でテンパイする受け入れが大きく減ることになるので、流石に打とします。p68についても打。ドラが重なって1シャンテンになるより、を引いてテンパイする方がずっとよい手です。

 今回ははっきり絞らない方がよいとしましたが、前回までとの違いは手牌の形です。具体的には、テーマ15は面子候補十分の形、テーマ13、14は面子候補オーバーの形です。

 「絞りは不要」ということを説明するために従来取り上げられて来た牌姿は、多くの場合、面子候補十分あるいは面子候補不足の手で、十分にアガリが見込める形でした。この段階で絞ろうとするとアガリ率の低下が大きく、絞ったところでアガリを目指すためには途中で絞った牌を打ち出さざるを得ないので、絞りが有効になることがあまりありません。

 しかし面子候補オーバーの場合は、絞ってもアガリ率の低下が小さい、あるいは絞った面子候補が面子になって鳴かせずに手を進めることができる場合もあるので絞りが有力になるケースも出ると考えられます。絞るかどうかの判断もやはり基本は手牌次第。アガれそう、アガれなさそうというだけではなく、より具体的に手牌の形を認識して評価できるようにしましょう。

レッスン16

 「自分が得をするために。相手に不利を押し付ける」「どんな選択も結局は誰かの迷惑」というのは勿論その通りです。人の選択を迷惑と批判する人も、そのような話を理解していないわけではありません。その他家にとって得とも思えない選択なのに、その選択で自分が不利を被るからこそ非難もしたくなるのではないでしょうか。

 今回のラス確の話であれば、単純にした方が得なのですから非難する側がお門違いでありますが、初級者のうちは、「自分にとっても不利なのに、特定他家を不利にしてしまう能動的な選択」を気付かないうちにしてしまうこともよくあります。そのような選択がなるべく起こらないようにすることは、麻雀を楽しむうえでも、勝ち負けを競ううえでも必要な配慮です。

 「迷惑するかもしれないからやめよう」という発想に至る段階の打ち手であれば、「勝つために遠慮は不要」というアドバイスが的確だと思いますが、その段階に至っていない初心の打ち手にとっては、まずは麻雀を楽しめる土台を作ることが上達のうえでも大切なので、「自分にとっても不利で、特定他家が迷惑と感じる選択」を知らせる必要自体はあると考えます。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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