ネマタの戦術本レビュー第269回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その16」

レッスン34
 p168の手牌。序盤なら中張牌の浮き牌を引いてタンヤオがつく二次変化までみてダマとします。中盤ならどうかという話ですが、何らかの中張牌の浮き牌を強い変化として残せるにもかかわらず、がここまで手牌に残っているのは不自然です。「リーチしたくないけど手変わりを待つのも微妙」なテンパイになっている場合は、テンパイ以前の手順でミスがあった可能性が考えられ、そのミスの原因は、局情報を正しくインプットできていないことにあるのが大半です。

 p169の手牌なら序盤でもリーチ。ドラが無くても他家のアガリを阻止するためにリーチします。中盤以降でドラ無しならリーチするか微妙ですが、やはり、テンパイ以前に良形変化狙いで中張牌を残せなかったかどうかが気になります。安い手の悪形も基本はリーチでよいと考えますが、安手悪形リーチの割合が高くあまり勝ち切れてないという方は、リーチ判断そのものより、テンパイ以前の手順を見直してみることをお勧めします。

レッスン35

 「アガリトップ役無しでも即リーチ」の出拠は「科学する麻雀(講談社版)」ですが、本書ではリーチがかなり不利な想定をしてもリーチが悪くないという場合分けをしたうえでリーチすべきという結論を出しています。
 ただしこれはテンパイした時点で、手変わりが少ない役無しダマとの比較ならリーチ有利という話であることに注意が必要です。テンパイ時点では手変わりが少なくても、テンパイ以前の段階で良形や役有りテンパイを目指した方がよいケースもあります。また、他家のアガリでもトップを維持できるなら、テンパイ以前の段階で自分のアガリだけを目指すより、その他家へのアシストをした方がよりトップを維持しやすい場合もあります。
 レッスン34の繰り返しですが、リーチ判断そのものより、テンパイ以前の手順に問題がある場合があり、その原因は局情報を正しくインプットできてないことにあるということです。悪形でもリーチが基本と考えている駆け出しの打ち手と、リーチはあまりしないタイプの熟練者であれば、局情報を正しくインプットすることに関しては後者の方が勝ることは言うまでもありません。熟練者の選択そのものよりも、何を見ているかを参考にしたいところです。

レッスン36

p175の牌姿なら1軒リーチでも基本は引きますし、p176の牌姿なら2軒リーチでも基本は押します。1軒と2軒ではリスクの差が大きく違うことは確かで、その差を分かりやすくするために極端な例を出したのは分かりますが流石にやり過ぎですね。具体的な判断についてはかなり長くなりますので、「もっと勝つための現代麻雀技術論」の押し引きの項目を御参照下さい。

本記事に関するご紹介

本書では、たろうプロとはなさんの会話形式で構成し、3つの章にわけて、48のレッスンを展開することにより、読む人のレベルに合わせた上達が見込めます。大人気の鈴木たろうプロの麻雀、勝負に対する思考、スタンス、駆け引きに関してここまで公開したのは本書が初となります。
 
鈴木たろう (著)
鈴木聡一郎 (編集)

発売日:2017年3月29日
定価:本体1,404円
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