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ネマタの戦術本レビュー第272回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その19」

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レッスン43

 ラス前にラス目は役牌を1枚目から鳴いた場合、もちろん東1に比べれば高打点の可能性が高いと言えますが、1000点でもあがればオーラス3着との差が縮まりラス回避の条件が緩やかになるのであれば安手であっても何ら不自然ではありません。もちろん打ち手が、「3着もラスも変わらない」という麻雀観の持ち主であればやはり高打点とみるべきでしょう。このあたりは他家の打ち筋に依るところも大きそうです。
 一方、ラス目が1000点あがったところで、オーラス満貫ツモでも届かないダンラスであるとするなら、その他家が合理的に打っているのであれば流石に高打点狙いとみるべきです。
 ただし、これだけでは高打点でることは分かってもテンパイに近いまでは分かりません。かなり強引な手順でホンイツやトイトイをつけにきている可能性もあります、河から強引に手役をつけにきている形跡が見られるのであれば、テンパイまで遠いとみてそれほど警戒しなくてもよいでしょう。
 一方、ラス目なのにそのような手作りの形跡が見られないのであれば、それこそドラを固めた満貫テンパイが十分あるとみて、1フーロであっても相当警戒して、押してもリターンがあまりない手牌から何となく通っていない牌を打つことは避けるべきです。役牌を1つ鳴いただけの打ち手が高打点テンパイであること自体はレアケースですが、条件が揃えばレアケースではなくなるのです。
 「ラス目だから◯◯」「トップ目だから◯◯」という解説はよく見られますが、単純な順位だけでなく、互いの点差によって判断すべきです。鳴きについても、何を鳴いたかだけでなく、鳴いた後の手順も考慮すべきです。局情報をインプットすることは大事ですが、それが不十分だと、逆の結論が出てしまうこともあります。
 トップ目のリーチにしろ、トップと2着は大差、残り3人は僅差で放銃するとラスに落ちてしまうとなると、むしろラス目の親リーチ以上に押しづらいことになります。ラス目の親なら安手悪形でも何でもリーチするが、ダントツは安手悪形はリスク回避でリーチしないことが多いから良形で打点もまずまず高い可能性が高いという見方もできます。トップ目、ラス目というだけで判断するのは条件不足なのです。
 実力者であれば、もちろんそのあたりの細かい情報についても正しくインプットできているはずです。しかし、情報を言葉で説明するとなるとどうしても長くなるので、「トップ目なら」「ラス目なら」という簡潔な表現に留めてしまい、肝心な情報が抜け落ちてしまっていたのが、現状でも改善しきれていない戦術書の問題点であると私は考えております。私としても、簡潔かつ丁寧な表現を心がけなければと改めて思わされました。

本記事に関するご紹介

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鈴木たろう (著)
鈴木聡一郎 (編集)

発売日:2017年3月29日
定価:本体1,404円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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