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ネマタの戦術本レビュー第384回「麻雀序盤の鉄戦略 著:独歩 しゅかつ すずめクレイジー 平澤元気その9」

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 ケース17

 打 アガれても2着以上が望めないとなると、ここまでバラバラでなくても、平均的な配牌よりアガリづらいのであれば、下家が鳴き手かどうか分からない段階であってもアシストを考慮します。

 ただし、メンツ候補が出来ていないと鳴けないので、アシストは下家のヤオチュウ牌処理が終わったあたりから試みます。

 ケース18

 打 アシストするなら、自分で2枚使っている分下家がメンツにしづらく、悪形(リャンメンはアシストしなくてもメンツにしやすい)を鳴かれる可能性があるから切ります。鳴かれなくても次に別の牌を切ればよいので、「アシストするかどうかの判断」に比べれば、「アシストの手順」は結果にそれほど影響を与えませんが、他家の手牌構成を読む練習も兼ねて余裕があれば押さえておきましょう。

 今回はが鳴かれたとして、「東家に当たりやすい牌を切って5800以上放銃する確率」と、「東家の手が2翻以下で、なおかつ南家に追いつかれて逆転される確率」とでは後者の方が明らかに低い(東家テンパイの段階で、南家のアガリ率がかなり下がるので)ので鳴かれれば基本降ります。

 もちろんこのあたりの判断は局面の変化で変わることもありますが、いずれにせよ、アガリと放銃回避以外に可能なことが無いか、特に結果が着順に影響しやすいオーラスでは確認するようにしましょう。

本記事に関するご紹介

例えば非常にいい配牌をもらったとき、これは一直線にアガリに向かえばいいだけなので、中級以上の打ち手であれば差がつきにくいですし、最終的にはロジカルに正解がでる部分です。
問題は悪い配牌をもらったとき。この場合はアガリに向かうのか守備に重心を置くのか、アガリに向かうにしてもどの手役を狙うのか(どの手役も遠い)、第1打から考えるべきことが多くなり、不確定要素も増えます。そしてこのジャンルは麻雀研究においても未開拓の分野です。
そして、この「超序盤の戦略」こそ、強者と弱者の差がつく、残された分野なのです。
 
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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