- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析8
他家に速度を合わせるかどうかも仕掛け判断の重要な要素ですが、まずは「仕掛けた手牌と、仕掛けなかった手牌とを比較することが必要です。
そのうえで判断が難しい際に相手の速度に合わせるかどうかを判断されることをお勧めします。
速度感は何となくでも判断可能ですが、手牌の評価は手組の知識が必要なため、前者ばかりに気を取られると後者の比較が疎かになりがちです。
67ページはを鳴くと守備力に不安が残る形にはなりますが、2巡目で面子候補が揃ってどこからでも仕掛けがきく2シャンテンなら先制テンパイに取れることが多いため、手詰まり自体はそれほど気にしません。
問題はむしろスルーしてもチートイツドラドラの2シャンテンで、鳴くとドラを切ってのみ手止まりになることが多いということにあります。
シャンテン変わらずならアガリ率が2倍以上になることは少なく、打点ではかなり差がつくことを踏まえるとスルーがよいのではないでしょうか。
タンヤオ移行もできるので、スルーしてがトイツで残ってもそれほど急所にならないという要素も一応あります。
68ページは鳴いて3翻、メンゼンなら満貫以上見込めるとはいえ悪形残りになりやすい。これなら南家の2フーロが無くても役有り1シャンテンになる牌は仕掛けていくことが多そうです。
南家は特別高そうな仕掛けということはないので、こちらが鳴くと2翻以下であれば、速度を合わせなかった結果アガられたところで損失が小さいので、速度を合わせずうまくいった時に高い手を狙うというのも一考ですが、鳴いて3翻以上ならアガリ逃しの損失も大きくなるので、「速度を合わせる」機会が増えると言えます。
70ページは単に追いつかないというだけでなく、浮き牌がいずれも手役、ドラ絡みの牌なのでスルーして、うまくメンゼンでアガれた時との打点差が大きく、をポンした場合はのが雀頭候補となれば鳴いてもさほどアガリやすくならいのでスルーというところでしょうか。
71ページは中張牌だらけだからスルーしても受け切れないというよりは、今後リーチがかかる相手がトイメンのみで、そのトイメンにも4枚見えからノーチャンスで凌ぎやすいため、手牌を狭めても受け切りやすい形。手詰まりのリスクが薄いなら、少しでも自分のアガリの可能性を高めるに越したことはありません。
「リャンメンからは仕掛けにくい」「安手で手牌を短くしたくない」という判断が先に来てしまうと今回のケースでスルーしがちですが、逆に「役があるからとりあえず手を進める」「メンゼンのアガリは厳しい」という判断が先に来ると67、70ページのケースで役牌を仕掛けがちになります。繰り返しになりますが、あくまで仕掛けた時と仕掛けなかった時の比較であると心がけましょう。
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