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ネマタの戦術本レビュー第839回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その5」

ネマタの戦術本レビュー第839回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その5」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

Logic5

私は和了を目指すうえで意識しておきたい手役として、「リーチ」「タンヤオ」「ホンイツ」「チートイツ」の4つを取り上げました。タンヤオは、「タンヤオがつく浮き牌を手役がつかないターツより優先」。ホンイツはチンイツ、チャンタより出現率が高く、「一色の浮き牌や字牌を、手役がつかないターツより優先」。チートイツはトイトイより出現率が高く、「トイツになりやすそうな浮き牌を、シュンツになりやすいターツや浮き牌より優先」。というように、メンゼンでリーチを目指す場合とは異なる手組の技術を要求されるためです。

 

 カンチャンテンパイがリャンメンテンパイになってもアガリ率は2倍になりませんが、鳴いて3900の手が1翻アップで満貫になれば打点が倍増します。よって、アガリまでの手数が変わらなければ、受け入れが多少減っても高打点の受け入れは残す。ただし満貫から跳満のように2倍にまではならない場合や、鳴いて1000点が2000点のように、アガれなかった時の失点を踏まえると打点を上げるメリットが薄いなら速度を優先することが多くなります。

 

 大抵の手牌は、手役がつく受けやドラ受けがあることが多いので、昨今は打点より速度を優先することが多いと言われているとはいえ、案外打点を追求した方がよいことが多いものです。「勝つための現代麻雀技術論」では、それ以前に現代的打ち方を取り上げた戦術書よりも打点寄りの選択が多く取り入れました。

 

 しかし、打点を追求するタイプの打ち手ほど、局のテーマに敏感になる必要があります。オーラスアガればトップなら明確に速度を優先すべきですが、ラス目であっても3着目と僅差なら速度を優先することが多いというように、平場より速度を優先すべきケースはよく起こります。一方、平場以上に打点を追求すべきケースはあまり多くないうえに、跳満以上となると最善を尽くしたところでアガれないことが多いため結果に差をつけづらいので、最初からやや速度優先よりに打った方が、局のテーマをさほど意識しなくても「結果に影響しやすい重要な局面で正着を選びやすい」と言えます。

 

 本書では、和了ルート、手役の構想は正解がなく、自身にとって最適なバランスを構築することを重要としています。本来であれば、手牌と局面、ルールに応じた「正解」があるのですが、厳密な正解を出すのは極めて難しく、正解にこだわりすぎると、「結果に影響が出やすいオーラス付近で集中力が途切れてミスしてしまう」「打牌比較が難しい局面が増えて結果的にミスが増えてしまう」といったことが起こる恐れもあります。「麻雀に正解はあるか」というテーマでコラムを書かせていただきましたが、「正解がある」派と「正解がない」派は必ずしも対立しているわけではなく、むしろ麻雀観が極めて近いにもかかわらず、立場や言葉の受け止め方の違いから意見が分かれる場合もあるということを改めて感じさせられました。

 

論理的思考で勝つ麻雀

「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。

著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。

点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!

著:中嶋隼也(@owadasenmu
単行本:1,404円
 

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この記事のライター

ネマタ
現役の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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