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ネマタの戦術本レビュー第855回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その21」

ネマタの戦術本レビュー第855回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その21」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

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 前回のアシストと対になる技術が「絞り」です。アシストほど他家の選択を能動的に変えられないため効果は薄いのですが、アシストが有効な局面があるとなれば、アシストが有効でない局面で、なおかつ自分のアガリ率を下げるデメリットが薄いとみれば絞りが有効になる場合もあります。

 絞りが損であるという風潮は、一昔前の「絞り」重視(逆に、「アシスト」は損という風潮もあった。)の麻雀観からの反動というだけでなく、オンライン麻雀、特に天鳳においてはトップの価値が相対的に低いというのもありそうです。

 自分がアガらなくてもラスを回避することはできますが、トップを取るためには自分のアガリがほぼ必須で、放銃しないとしても他家に高打点の手をアガらせないことも重要になります。収支戦かつトップの価値が高い、しかも1半荘単位でなく、トータルの評価ptで他家に上回り優勝することが目的の競技麻雀となれば、なおのこと他家にアガらせない技術が重要になるでしょう。一昔前の戦術書が「絞り」を重視しがちだったのも、著者が競技麻雀の分野で打つことが多かったからというのもありそうです。

 今回は自分のアガリが厳しい、あるいはアガリに向かうメリットが薄い段階における絞り、言わば「受けの絞り」を中心とした解説でしたが、実戦ではアガリを目指すが故の「攻めの絞り」を用いることもあります。例えばオーラスラス目の親。平場なら他家に鳴かれた結果アガられたとしても、絞ったら別の他家にツモられて更に損失が大きくなかった可能性もあるのでよしとなるところですが、オーラスラス目なら放銃も横移動もラスのままで結果は同じです。

 184ページ手牌Aのような、メンゼンで比較的テンパイしやすく、高打点も狙いやすい手。平場なら下家がマンズのホンイツだからと打とするのは損とされがちですが、先にをツモったので下家に鳴かせることなく手が進み、結果的に唯一アガれる手順だったということも有り得ることを踏まえれば、アガリが必須である局面ほど打が有力になるとも考えられるのではないでしょうか。「鳴かれやすい」という判断がどの程度当たっているか次第なので結論を出すのは難しいですが、「絞り」は必ずしも他家のアガリ率を下げるためだけの選択ではないということも押さえておくことをお勧めします。

 

論理的思考で勝つ麻雀

「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。

著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。

点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!

著:中嶋隼也(@owadasenmu
単行本:1,404円
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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