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ネマタの戦術本レビュー第926回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その29」

ネマタの戦術本レビュー第926回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その29」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第三章

29

164ページではドラ白とありますが、165ページではドラ1pとあります。166ページに満貫をアガったとあるので、別の他家がカンしていて両方ともドラになったということでしょうか。良形満貫テンパイともなれば役牌ドラをポンしている他家がいたところで何も考えず押しそうになりますが、鳴き手相手は高い精度で待ちを読めるケースもあるので一応確認を怠らないようにしましょう。

「少考が入った」というだけでは、それこそ様々な可能性があるので高い精度で手牌を読む事は難しいものですが、今回は2フーロのうえ、最後の手出しが8m、一つ前の手出しが安牌要因の北。テンパイ濃厚なうえ、8mはメンツ候補かメンツの一部。そのうえで少考したとなれば、待ち選択の余地があった手牌であった可能性が高いと言えるでしょう。

最後の手出しがテンパイからの待ち選択で切られた牌であるとまで分かれば、その牌と別の色はシャンポン待ち以外では通ることになります。最後の手出しの側というだけで警戒されやすいので、テンパイを入れる立場からすれば、待ち選択はなるべくテンパイする前から決めておく、テンパイしてからも待ち選択等の理由で思考を入れる必要があるケースがある以上、読まれにくくするうえでも(三味線行為に該当しない程度に)、ツモ切り一択であってもノータイムではなく、一呼吸置いてから牌を河に並べるよう心掛けたいものです。

本題からは外れますが、6sが当たるとすれば69s待ちだけで、9sはシャンポン待ちも有り得るから内側の6s切りというのも、意識出来ていないと選びにくい打牌です。一般論として外側の牌の方が安全というセオリーから固定観念に囚われがちなうえ、出現頻度も結構多いので注意しておきたいところです。

初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀

新鋭Mリーガーによる待望の戦術書!

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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