Mリーグ発足時には「最年少プレーヤー」として参戦した松本吉弘プロ。堂々とした戦いを続け、渋谷ABEMASの3年連続ファイナルにも貢献したことから、契約を更改して新シーズンに臨む。麻雀のスタイルとしては絶妙なバランスが持ち味で、若手ナンバーワンに挙げられることも少なくない。「卓上のヒットマン」の愛称とは裏腹に、優しい一面を持ち合わせている若きMリーガーだ。本記事ではそんな松本プロの経歴や雀風から、その魅力に迫っていこう。
目次
松本吉弘の基本情報・プロフィールデータ
名前 | 松本 吉弘(まつもと よしひろ) |
異名 | 卓上のヒットマン |
生年月日 | 1992年5月3日 |
出身地 | 神奈川県横浜市 |
血液型 | O型 |
趣味・特技 | お酒、映画 |
本人公式SNS | Twitter |
所属団体 | 日本プロ麻雀協会 |
所属チーム | 渋谷ABEMAS |
プロ入会年 | 2013年 |
主なタイトル | 第9回TwinCup優勝 第25回發王位 第6回ヴェストワンカップ優勝 |
松本はすでに、G1タイトルを獲得している。30代で若手と言われることも多い麻雀界で、これらのタイトルを20代で獲得していることから、「天才」と呼ばれるだけの実力の高さがうかがえる。
経歴
2013年:商社を辞めて日本プロ麻雀協会に入会
2016年:第9回TwinCup優勝
2017年:第25回發王戦優勝
2018年:渋谷ABEMASにドラフト3巡目で指名
2019年:「初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀」出版
2020年:麻雀最強戦2020 最強の麻雀戦術本プロ決戦出場
2021年:日本プロ麻雀協会 第2回fuzzカップ優勝
麻雀との出会い・きっかけ
中学時代、友人と暇つぶし程度で遊んでいた麻雀だったが、野球部の先輩から麻雀を教わったことで、その楽しさを知ることに。既にこの時、麻雀プロを目指すようになる。青山学院大学に入学し、雀荘でアルバイトとして働く。働いていたお店の縁から、プロテストを受験し、21歳の時には日本プロ麻雀協会に入会(第12期後期)した。青山学院大学を卒業後、商社に就職した後、父親の経営する会社の会計を務めていた会計事務所へと転職する。その後は会社を辞めて麻雀の道に進んだ松本。父親には反対されながらも、プロとしての結果を出して、父親にも認めてもらったという。
Mリーグ個人成績
開催年 | 順位 | ポイント |
2018年 | 10位 | 22.1pt |
2019年 | 26位 | -246.3pt |
2020年 | 5位 | 272.5pt |
Mリーグ開催初年、ベテランプロでさえも新しいステージで戦っていくプレッシャーを感じる中、当時最年少Mリーガーとして注目を集めていた松本のプレッシャーは量り知れなかったものだっただろう。しかし、そんな重圧を物ともせず松本は2018シーズン個人成績10位という堂々たる結果を残してチームに貢献。しかし翌2019年、松本自身も“人生最大”と振り返る大スランプに陥り、個人成績26位と涙をのむシーズンを経験する。長い苦境を乗り越えた2020年は個人成績5位という見事な活躍で大躍進を見せ、渋谷ABEMASは3年連続ファイナルシリーズ進出という結果を収めた。山も谷も経験した松本の2021シーズンでの活躍に要注目だ。
Mリーグ2020ファイナル後の松本のインタビューはこちら↓
2021年、同じメンバーでまた高みを目指す。
松本吉弘の打ち方や雀風
松本は、自身の雀風を「バランス型」と評している。基本はメンゼンリーチを目指し、点数状況や相手の動向を見て柔軟に対応する。そのスタンダードな打ち筋は、初心者から上級者まで参考になる部分が多いといえるだろう。ニックネームは「卓上のヒットマン」と恐ろしいが、意外なことに松本プロ本人は「臆病なところが強み」だとも語っている。試合前はいつも「負けたらどうしよう」という不安に襲われるというが、その気持ちがあるからこそ、対局中のリスク回避や謙虚なプレースタイルにつながっているのだろう。
松本吉弘の対局時の様子
第20期雀王戦A1リーグ 第2節B卓 2021/6.10
ヒットマンが土壇場で大物手を狙い撃った。2回戦のオーラス、一人沈みの松本は満貫でも3着に上がれない状況。配牌には萬子が7枚、寄せていけそうではあるが、ホンイツや鳴いてのチンイツでは届かない。ただ、軽くアガって終局させようという動きがなかったことも幸いして、松本はジワリジワリと手を進めていく。そして、メンチン・平和・一盃口のテンパイ。高目で二盃口となるため、リーチすれば三倍満となったが、冷静にダマテンに構えて討ち取った。松本が一気に2着まで浮上して、ヒットマンの面目躍如となる。このときの動画は公開から約1週間で約3万再生と、大きな注目を集めている。
Mリーグ2020 2020/11.19 第2試合
松本らしい堅実な麻雀で、盤石の勝利をつかんだ試合だ。松本は計3回のアガリを見せたが、3回ともリャンメンリーチで、いずれも満貫。メンゼンでリーチを目指す、麻雀の教科書のような見事なアガリでリードを広げていった。
その後は放銃リスクを最小限に抑える、これも基本に忠実な打ち回し。結局、一度も放銃することなくトップを決めた。松本の抜群のバランスが発揮された試合だったが、50900点のトップはチームにとっても大きな得点となった。
Mリーグ2019ファイナルシリーズ 2020/6.19 第2試合
Mリーグ2019レギュラーシーズンでは不調の波に襲われ、思うような結果が出せなかった松本。だが、ファイナルシリーズの大一番で勝負強さを見せる。3位のABEMASは、優勝争いに加わるために何としてもトップが必要な状況。しかし、東場終了時点で松本は箱下の−500点に沈み、トップは絶望的と思われた。
しかし南場に入って松本は迫力のアガリラッシュを見せ、一気にトップ目まで躍り出る。ただ、逆転を許したライバルたちも必死に食い下がる。オーラスにラス目の親からリーチが入り、その手にはなんとドラが3枚。それでも、着順ダウンを恐れなかった松本プロは、ピンフ・ツモで押し切った。優勝争いが大詰めを迎えるなか、チームにとって大きすぎる勝利をもたらした。
Mリーグ2020 2020/10.19 第1試合
苦汁をなめた2019シーズンで、松本は負けている時の打ち方やメンタルコントロールの面で大きく成長したと語る。それが発揮されたのが、2020シーズン序盤に行われたこの試合だった。松本は一時は3800点まで沈み、4着が濃厚かと思われた。
しかし集中を切らさなかった松本は、一気の5連続アガリを決める。終わってみれば51900点持ちのトップ。前シーズンの辛い経験からメンタルを鍛えた松本は、2020シーズンを通してチームを引っ張る大活躍を見せた。
松本吉弘のSNSでの評価・評判
SNS上では、松本の基本に忠実な麻雀を参考にしているという声が絶えない。また「卓上のヒットマン」と呼ばれる強面ぶりと心優しい人柄のギャップも、ファンの間では人気となっている。
松本プロは強面雀ゴロみたいに見えるけど(笑)押す時は押す、引く時は引く理路整然とした麻雀だし、現代的な総合力の高い打ち手だからホント参考になる。Mリーガーとして若い世代を引っ張ってく意識も十分。インタビューもニッコニコでギャップある(笑)卓上のヒットマン応援してますぞ!
— コペンの人 (@NGT_CERO) October 4, 2018
押す時は押して、引く時は引く麻雀スタイルが「参考になる」という意見が多い。
昨日は松本プロの解説がめちゃくちゃ分かりやすくて、気を遣ってるのも感じで聞きやすかったー‼️
— わかぞう? (@wakanya_paz) November 4, 2020
また松本プロの解説が楽しみ(つ∀`*)#Mリーグ2020
また、松本の解説は選手の意図をわかりやすく伝えてくれると大人気。落ち着いた声色で聞き取りやすいという声も数多く上がっていた。
松本吉弘のおすすめ動画
シーズン初の役満!マッハ四暗刻
Mリーグ2020において、松本がシーズン初の役満を出したのがこちらの対局だ。この日はレギュラーシーズン25日目にあたるが、その後の松本の活躍を暗示しているかのような鮮やかな四暗刻が完成した。配牌の時点でが暗刻、と、が対子と美しい並びを見せていた松本の手牌に次々に暗刻が増えていき、あっという間にリーチがかかる。これには解説も「早すぎる」と驚嘆の声。そして松本の一発目のツモ番がやってくる。衝撃の展開を、ぜひその目でチェックしてみてほしい。
ちなみに松本は2020シーズンセミファイナルでも四暗刻を出す。その時の対局は9万点超える点数でトップに立ち、こちらの記事でも紹介されている。
ハコ下からの大逆転!松本の復活が始まる…
先ほど紹介した、Mリーグ2019ファイナルシリーズにおいて怒涛の追い上げを見せた試合だ。東場終了時点で持ち点は-500と、誰の目にも勝利への道は厳しいかのように見えただろう。動画は松本の親番、南一局二本場から始まる。直前に發・ホンイツ・赤ドラで小林から12000アガリを見せたが、点数は13300、いまだ3位と厳しい状況に変わりはなかった。手牌には対子が揃っていくが松本は苦悶の表情を浮かべる。解説が「南場の親番で点数がないと七対子は勇気がいる」と松本の苦しさを代弁。しかし、その後松本はドラも対子で揃えるとリーチをかけ、現トップの沢崎から12600を削り取る。2位に浮上した松本だったが、勢いに乗った松本の躍進はこれでは終わらなかった…。
松本吉弘のニュース・こぼれ話
プロ野球のスカウトに注目されたことも!?
前述した通り、松本は小学校から高校まで野球に打ち込んでいた。4、5歳のころにグローブをもらってから夢中になり、プロのコーチに教わっていた時期もあった。高校時代はピッチャー、ファーストだったが、187cmの恵まれた体格もあって、プロ野球のスカウトに注目されたこともあったという。ちなみに、縦社会といわれる麻雀界で先輩方と良い関係を築いていられるのは、野球部での経験が生きているとのこと。
学生時代は国語の成績が全国2位
松本は優れた頭脳の持ち主で、学生時代に受けた試験で国語の成績が全国2位だったこともあるという。また、「ひなたの部屋」では野球や麻雀にも夢中になっていたため成績は落ちたとは語っていながらも、青山学院大学にストレートで合格という結果を残している。大学卒業後は商社に就職していることからも、かなり優秀な学生だったことがうかがえる。
実は歌ウマ?!身長をイジった歌詞にも注目
麻雀遊戯王の楽曲プロジェクトでロック調のオリジナル曲を歌い上げる松本。強面のヒットマンからは想像もつかないような、爽やかかつ甘い歌声を披露した。曲名の「快進撃High place」と歌詞に出てくる巨人は松本のイメージそのものだろう。その身長と言いサングラスと言い、サムネイルも某アーティストと見間違うような出で立ちでファンの笑いを誘った。
丸山奏子との身長差が話題に
そういえばまるちゃんと並ぶとこんなです pic.twitter.com/s4YH4xZ65b
— 松本 吉弘 (@yoshihiro_npm) November 11, 2019
高身長の松本は身長187㎝、一方本物のアラレちゃんより8㎝大きいだけの丸山奏子は147㎝。2人の身長差はなんと40㎝。並んだ時の身長差を示したSNSでの投稿には、たくさんの驚きの声が上がっていた。オモシロ身長差2ショットを何度かSNSでアップしていることもあり、2人は恋人同士なのかと話題になることもある。実際は良き対戦仲間でしかないが、2人とも若き雀士として今後もMリーグを盛り上げてくれる存在に違いない。
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