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ネマタの戦術本レビュー第1046回「『麻雀技術 守備の教科書』編 その14 著:井出洋介 小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1046回「『麻雀技術 守備の教科書』編 その14 著:井出洋介 小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第四章 リーチへの対応

CASE36 追いかけリーチは先行リーチより危険

タイトルの通りですが、「親リーチよりも怖い追いかけリーチ」が正しいかどうかは相手の打ち筋に依るところが大きいです。昨今の研究では、テンパイさえしていれば高打点でなくても親相手に案外追っかけリーチが悪くなく(良形ならなおさら)、親は打点が1.5倍の恩恵を受けやすいように、アガリ率よりむしろ打点を意識した手組が有効なことも多いということが分かっています。

しかしこのあたりを意識している打ち手は未だ少数派と思われるので、本書の指摘通り、追いかけリーチは親リーチ以上に警戒しておいた方がよいと考えておいた方がよさそうです。

115ページの牌姿はそもそも親リーチだけだとしてもを止めるところ。2件リーチならなおのこと降ります。

CASE37 ドラポン相手のリーチは勝負手と考える

役無しリャンメンテンパイでも、リスクを承知でドラをポンした他家のアガリを阻止するうえでもリーチがよいでしょう。平和のみであっても、ドラポンがテンパイ濃厚、待ちがドラをポンした相手の現物待ちくらいの条件でようやくダマに分があるとみます。ドラが字牌ならリーチした他家はドラを持ってないのですから、むしろ平均打点自体は通常リーチより下がるかもしれません。

よって、リーチが必ず勝負手というほどでもないとみますが、ドラポンとリーチに挟まれた時点で、押し返せる手牌がかなり限られるのは間違いありません。117ページの図はとりあえず2枚切れのを切りますが、ドラを切ってまでを残したとなると待ちは特に危険で、ドラポン相手にも通っていないとなると、仮にテンパイしたとしても勝負できるのはツモくらいで、後のツモはテンパイしてもを押さないのが無難でしょうか。

 

CASE38 リーチに対するドラ切りはかなりの勝負手

ドラポン相手にリーチしても必ず危険牌をつかむとは限りませんが、リーチに対してドラ切りは既に危険牌を勝負しているのですから、ドラポン相手のリーチよりずっと勝負手である可能性が高いです。既にダマテンで高い手をテンパイしている可能性もあるでしょう。

リーチへの手詰まりだけでなく、ダマへの放銃回避のためにも、「今通っているが、次巡以降危険牌になる可能性がある牌」を現物の中でも先に合わせ打つようにしましょう。ツモった牌が不要かつ安牌となるとついツモ切りそうになりますが、他によりよい選択がないかを常に意識しておきたいですね。

CASE39 2軒リーチにノーテンならオリる

テンパイだったらどの程度勝負できるかについては、『統計学のマージャン戦術』が参考になります。テンパイからでも結構降りることが増えるので、ノーテンならほぼオリることになると言えます。

CASE40 追いかけリーチをしないケース

リーチの現物待ちで役有りテンパイをした場合、「リャンメン以上かつ、ダマ出アガリ40符3翻未満」の場合はアガリやすさより打点重視のリーチが有力です。ただし、平和のみの場合は途中で降りることを考慮してダマも選択に入ります。123ページのように危険牌を安牌と入れ替えてテンパイを維持できることが多いならダマが有力そうですが、スライドのテンパイ維持がダマテン側にどの程度有利にはたらくかについては今後の研究課題となりそうです。

CASE41 リーチに対して勝負している他家も要注意

ケース39で2軒リーチにノーテンならほぼオリとありましたが、リーチが入っていなくてもテンパイ者が2人以上いることは少なくありません。125ページの図ならそもそもリーチだけでも現物を合わせて降りるところですが、1軒だけなら微妙に押せそうな手牌の場合や、降りるにしても共通安牌と将来危険になりうる安牌を比較する場合に、リーチに勝負している他家のテンパイの可能性を見落とさないようにしたいものです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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