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ネマタの手組の達人 第41回

ネマタの手組の達人 第41回

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例えばこのような牌姿であれば、最もテンパイしやすいうえにリャンメン待ちになりやすい打有利。「飛びトイツは中を切れ」という麻雀格言がある理由です。『近代麻雀』では毎回何切る問題が掲載されていますが、同じパターンの牌姿を数えきれないほど見てきました。何切る問題史上最も多く取り上げられたパターンと言っても過言ではないでしょう。

まだ私が「現代麻雀技術論」を記す前、ビギナーズラックという麻雀戦術サイトの管理人の方が、上記の手牌から何を切るか出題されたことがありました。

先程の手牌との違いは、ソーズ部分がリャンメンからトイツになったこと。こうなると打牌候補のはいずれもテンパイする受け入れが同じ。それなら引きでイーペーコーの1翻がつく打が有利と言えます。

初めて知った時はまさに目が鱗。「現代麻雀技術論」でも同様の牌姿を取り上げ、一部では現麻が元ネタと思われている方もいらっしゃいましたが、実は私のオリジナルではなかったのです。

ただしイーペーコーがつく場合は、自分で1枚使っているカンチャン待ちになるので待ちがやや悪くなるというデメリットがあります。3枚と4枚の差なら、リーチして2翻と3翻の差の方が大きいとみますが、が既に場に見えているなら打が既に場に見えているなら打、クイタンのみで局を消化してもトップを盤石にできる局面なら打のように使い分けをすることも少なからずありそうです。

問題に戻ります。先程と同様の理由で打が正解…ではないですね。イーペーコーの1翻より三色の2翻。234三色になる受け入れが最も多くなるように打が正解。『麻雀傑作「何切る」300選』でも同様の牌姿が出題されています。

何切るに限らず麻雀には様々な格言がありますが、個人的には、「格言としては誤りではないとしても、格言は最早不要である」という立場を取ります。今回の問題のように、「一手先を正しく評価」することこそが肝心であり、格言そのものに囚われることで、手牌や局面が少し違うだけで正着が変わるケースを見落としがちになるためです。

一手先を正しく評価する為の練習として類似問題。今度は三色が無いので、ツモり三暗刻になる受け入れを残す落とし。

チートイツとの両天秤にも受けられるうえに、ツモでタンヤオがつかなくなる形。これなら打点重視で落としが有力。リャンメンを落とすケースも有り得ます。

ホンイツ、トイトイ、最高で四暗刻。打点が大差なので落としが有力。メンツを落とすケースすら有り得ます。

鵜呑みにするのではなく考える事が大事。ビギナーズラックの管理人の方もそのようなことを言われていましたが、「考える事が大事」だと、ついつい何手先のことまで考えてしまったり、不要な情報まで取り入れようとしてしまいがちになります。第1回のようなシンプルな問題で、多くの実力者が正着を選べなかったことにも通じます。

よって私は、鵜呑みにするのでもなく、自力で考えるのでもなく、一手先の手牌の形を見据えて評価することの重要性を主張してきました。言葉で語るより前に牌を交わす習慣を身につける。これこそが麻雀が上手くなるための秘訣です。

手組の達人第42回

 ドラ

※役満の複合無し(最高点は四倍満)とします。

 

 

 

 

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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