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ネマタの天鳳日記 第2回

ネマタの天鳳日記 第2回

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01

 リャンメン待ちでダマでも満貫テンパイ。このような局面で皆様ならどうされるでしょうか。選択肢は以下の4つです。

1. 打リーチ
2. 打ダマ
3. 打リーチ
4. その他 

 当時ブログで意見を聞いたところ、ほとんどの方が1番を選ばれました。確かにリーチとダマの比較であれば、今回は巡目が早く河の情報も少ないこと、持ち点が沈んでいるので跳満以上のアガリの価値が比較的高いことから、なおのことリーチ有利と言えそうです。

 しかし、昨今の戦術書ではから通常はを切ってリーチすることを逆手に取って切りリーチする手筋もよく取り上げられるようになりました。今回は前巡にを切っているので待ちもないため、だけでなくも出やすい待ちになります。

 今回は6巡目なので打リーチとしてもアガリ率は約70%(リーチに全員降りるとしても約60%、ダマは約80%)。5翻リーチの平均打点は約10800点。赤切り4翻リーチの平均打点は約9000点。テンパイ料もあるので、切りリーチのアガリ率が84%あるとしてもまだ打リーチの方が局期待値では分があります。

 ただ、だけでなくも出アガリしやすくなっているので、切りリーチのアガリ率もかなりのものになりそうです。ここで、リーチに全員降りるとしても、降りた3人のうち1人は当たり牌をつかめば出すものとします。つまり、アガリ牌を2人でツモっているような状況です。

 このような場合のアガリ率は、(自分がアガリ牌をツモる確率)+(他家の1人がアガリ牌をツモる確率)−(2人ともアガリ牌をツモる確率)になり、2人ともアガリ牌をツモる確率は、(自分がアガリ牌をツモる確率)×(他家の1人がアガリ牌をツモる確率)で求められます。アガリのチャンスが何回あっても、アガれるのは1回だけなので、両者ともアガリ牌を引く二重になっているケースを引きます。リャンメン待ちがカンチャン待ちの2倍もアガリやすくならない理屈に似ていますね。

 リーチに全員降りた場合のツモアガリ率が60%なので、求める確率は0.6+0.6−0.6×0.6=0.84となり84%。この場合半分は自分のツモアガリで、他家から出た場合も一発裏次第で跳満になる可能性もあるので、平均打点は少なくとも10000点以上。切りリーチでも出アガリが利くならトントンというところですが、切りリーチだと他家からの出アガリが全く期待できないなら打切りリーチ有利になります。今回はを切っている場合の話なので、切りがなければ打リーチがよいでしょう。

 今回置いた仮定が実戦でどこまで成り立つかは分かりませんが、リャンメン待ちなら降りられても大体ツモれるからリーチでいいだろうと決めつける前に、もう一歩踏み込んで別の選択肢が無かったか考えるべきだったなと思わされました。

02

 実戦では他家にきっちり降りられて流局。打リーチなら浮いているが親から出てそうです。ちなみに打リーチなら、をカンしてでリンシャンツモ。カンドラも載って倍満でした。よって今回の正解は4.その他です!…というのはもちろん結果論です(笑)

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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