リャンメン待ちの満貫テンパイ。前回を見た後だと待ちを読まれにくくするためにを切る手を思い浮かべた方もいらっしゃると思いますが、それはひとまず置いておくこととして、まずはツモ切りと、トイトイをつけて跳満(ロンなら倍満)、ツモなら三アンコまでついて倍満になる切りとの比較を考えます。
8000点のリャンメンと12000点のシャボなら、基本は前者を選ぶところですが、麻雀講座で取り上げた知識(リャンメン待ちからアガリ牌が半分になってもアガリ率は半分にはならず、約7割になる。子でアガれなかった場合の平均収支は−1500点程度なので、アガリ点に1500点を加算して計算する)を用いて計算すると、9500>13500×0.7=9450となり、リャンメンに受けた方がよさそうとはいえ実は大差ありません。それなら、倍満の可能性がある以上、これだけなら打がよく見えます。
ただし、麻雀は素点だけでなく順位を争うゲームです。東南戦の東1局でも満貫をアガれば結構トップが見込める一方、どんなに高い手をアガっても、1位率100%よりもよくなることはないのですから、跳満は満貫の1.5倍といっても、実際の価値は1.5倍にまではなりません。素点関係無く順位だけで評価する天鳳ルールであれば尚更です。
点数状況から最終的な着順を予想するツールを用いて順位率を求め、天鳳の順位点(特上東南五段なので75−30−0−▲105)に当てはめることで判断することにします。途中の過程は割愛させていただきますが、打とした場合の跳満率:倍満率を仮に2:1とおくなら、両者はほぼ互角になりました。
打ち手の方は打とした結果アガリ逃しになってしまい自身の選択を後悔されていましたが、打自体はミスとは言えず、素点が評価に反映されるルールであればむしろ打が有力になりそうです。しかし、多くの打ち手にとっては自分がリードしている局面の方が打ち回ししやすく、アガリ逃しをすると心理的にもその後でミスしやすくなるため、最もアガリやすい選択でも十分高打点が狙えるようであれば、アガリ率重視が無難そうではあります。(『現麻本』p28で、悪形倍満との比較でも良形満貫を選ぶのが無難と記述したのはこのような背景もあってのことですが、流石に倍満確定なら倍満を選んだ方がよさそうです。)
長くなりましたので、切りの選択をふまえたうえでの打牌比較については次回取り上げることにいたします。