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第27回 ネマタの麻雀徒然草

第27回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 なにきる大会に御参加下さった皆様ありがとうございました。参加されなかった方もこちらから問題を解くことができるので興味がある方は挑戦してみて下さい。



 私自身、今回のなにきる大会は、前回までのテーマ、「麻雀の正解」について改めて考える良い機会になりました。今回出題された通常問題40問は、協力者5名の見解が一致したものです。私以外の協力者は天鳳位及び天鳳十段達成者なので実力も担保されています。更に言えば、私は他の協力者の解答を知らずに検討したので、他者の見解の影響を受けて無意識のうちに解答を合わせたということもありません。しかし、解答者の傾向をみると、かなりの実力者であるにもかかわらず想定解と一致しないケースが多々あり、解答に疑問を持たれた方も多かったようです。

 このギャップが起こった理由としては2つほど考えられます。1つは、協力者として問題を検討すると、出題者の意図を踏まえたうえで解答しがちということです。今回の問題は、出題者の想定解と見解が異なっても、完全に問題を差し替えるのではなく、想定解に合わせるべく問題の条件を変えたものもいくつかありました。
 
 しかし、問題の条件を変えたとしても、想定解が明確に最善手になっているのかと言われれば断言できないことが多いものです。協力者の立場からすれば想定解を一度見たうえで検討しているので、「想定解でも特に問題ない」程度でも見解が一致しますが、初めて問題を解く解答者からすれば、「想定解以外でも特に問題ない、あるいは他の打牌に想定解にはない無視できないメリットがある」となれば、解答に納得いかないと思われるのも自然なことです。

 もう1つは、今回は「平面何切る」を出題しましたが、解答者としては平面とはいえ、どうしても実戦を想定して判断になりやすいということです。特にアガリまで手数がかかる手、あるいは手変わりを想定した手牌で巡目が中盤以降となれば、実戦では他家の動向を踏まえたうえで打牌を選ぶことになるので、想定解と一致しないケースも増えます。

 一昔前の何切るは、手変わりを想定した打牌を解答にしているにもかかわらず、巡目がかなり深い問題も多々ありました。巡目が深いほど局面に左右されやすくなるので、私が平面何切るを考案する時は意識的に早い巡目。1シャンテンなら7巡目以前、2シャンテンなら4巡目以前、3シャンテン以前なら1巡目を想定することが多いです。

 平面何切るにおける7巡目は、「それまでに他家に動きがない」ことを前提にしているので、自分の手牌都合で手作りを進める猶予がそれなりにある局面を想定しています。しかし、実戦では7巡目ともなれば、既に誰かがテンパイしている、そうでないとしてもすぐに誰かのテンパイが入ることが多いものです。「条件が無ければ実戦における平均的な局面を想定する」として判断された方にとっては、出題者の意図を踏まえた想定解は、いささか手作りが悠長であると感じられたのではないでしょうか。

 何かと言い訳が増えてしまいましたが、出題者の解答が最善手と言えるかは別として、「何故他の牌ではなく、その牌を切るのか」を考えることは、確実に実力向上の役に立ちますし、何より面白いものです。何切る問題を何度となく解いてこられた方とも、今回が初めてという方とも、打牌を比較して、その思考を言葉にすることの楽しさを分かち合うことができれば幸いです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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