戦術本レビューで『ウザク本3』のレビューを3月23日より開始しましたが、ウザク氏本人から章末の4コマ漫画のレビューも依頼されたので、こちらで取り上げることにいたします。
第3章
期待値的には取り替えた方が得とありますが、もしこれが真であれば、うまそうな匂いがするからと言って取り替えなかった猫のシロちゃんも、取り替えた方が得という結論になります。零和ゲームのはずなのに、両者とも得、あれあれ?おかしいですよ?ということでこの問題は、「封筒のパラドックス」として知られています。
未だに数学者間で議論になるぐらい、厳密には難しい問題なのですが、特に条件が無ければ、「損得無し」と考えるべきでしょう。「条件無し」としたのは、さくらお姉さんの意図によって変わるためです。もしお姉さんが、すみれちゃんが点棒のたくさん入った箱を開けた時だけ、「箱を取り替えてみる?」と聞いてくるのであれば、替えない方が得だからです。
どちらの箱を開けた場合も聞かれるとしても、点棒の入り方の分布次第で結論が変わります。条件が無ければ「損得無し」としましたが、個人的には今回の場合は、おそらく取り替えた方が得だろうと判断しました。何故なら、「2900点」「11600点」はどちらも麻雀の得点表に出てくる数字なので、どちらかの可能性が一方的に高いということは考えにくい。そして「2900点」は点棒を7本入れる必要がありますが、「11600点」は点棒4本なので、点棒を入れる手間を踏まえると後者の可能性が高いまであると判断するためです。
それでは開けた点棒が「2900点」ならどうでしょう。今度は半分が「1450点」ですが、最低が100点棒なのでこの点数は有り得ません。よってこの場合は取り替えた方が必ず得ですね。
…そう思って取り替えてみると、もう一方の箱から何と50点棒が出て来ました。どうやら得点計算がインフレ化する前の麻雀で使われていた古い点棒だそうです…私がお姉さんの立場であれば、こういうオチを用意します(笑)