「錯和の失敗学」
私は不注意からしょうもない失敗をすることが多々ありますが、不思議とチョンボは未だに経験がありません。将棋の反則も、小学生の頃初めて参加した将棋大会にて二歩で負けたのが最初で最後でした。
しかし、やった後ですぐに気付くからチョンボにならないというだけで、南場なのに東を鳴いてしまったことや、ツモるのを忘れて少牌になってしまったことは数え切れないほどあります。麻雀は難しいことを上手くできるかよりも、簡単なことをいかにミスせずに継続できるかによって腕の差が現れるゲーム。ここでの簡単なことには、チョンボやアガリ放棄相当のミスをしないことも含まれます。何度も言っていることですが、麻雀は選択のステップ、「認知」「判断」「操作」のうち、「認知」の重要度が各種ボードゲームの中でも特に大きいゲーム。打牌判断はシンプルに行い、その分場の情報を把握することに集中できるようにしたいものです。
第184回で取り上げたばかりの「食い替え」のお話。食い替え禁止は元々存在しなかったルールということもあり、一発裏無しの競技ルールでは食い替えが認められることが多いのですが、連盟ルールは現物に関しては食い替え無し(スジ牌の食い替えは可)。一発裏有りルールでは食い替え禁止が一般的であることを踏まえると、食い替え禁止が普及したのは、折角の一発チャンスが簡単に消されてしまっては面白くないというのが理由として大きい気もします。
このあたりの細かいルールが大会毎に異なるのは何かと煩雑なので、個人的にもルールが統一されることが望ましいと考えます。しかし、「ルールを統一する」という話になると、それ以外のルールは認めないと受け止められがち。それもまた、統一が進まない理由であるように思います。
ですから、統一と言ってもあくまで規格を作るというだけであって、ルールを変えるなら細々したところではなく、それこそ「組み合わせを作って得点を競う」以外はもっと大胆にアレンジしてしまっても構わない、麻雀はもっと自由に遊べるのだという考え方こそ、もっと広まって欲しいと思うのであります。