「食い伸ばし」「食いちぎり」「食い残し」の共通点は、鳴いてもメンツの数が増えないこと。メンツの数が増えない鳴きにはもう一つ、メンツを入れ替える「食い替え」があります。前回の表記に従えば、鳴く前のメンツ→鳴いた後のメンツとなります。
しかし、単に食い替えと言う場合は、完成メンツから鳴いて、鳴いた牌と同じ牌、または鳴いた牌のスジで、完成メンツに含まれていることが他家視点からも明白である牌を切ること(345から2または5を鳴いて打5など)。ルール次第で違反行為になるものを指します(現物のみ不可とするルールもある)。『現麻本』で取り上げたのは、完成メンツに含まれる鳴いた牌のスジを切ることになるが、他家視点から判別できないのでルール上認められるものです(345678から2または5を34で鳴いて打8など)。本来は「食い替え」以外の表現を用いた方がよいのですが、適当な呼び名を思いつかなかったのでそのまま呼ぶことにしました。「食い替えにならない食い替え」。言葉のうえでは全くの矛盾ですが、ルールを知ってさえいればむしろこの方が伝わりやすいというのも不思議なものです。
食い替え禁止も本来は無かったルール。禁止理由は流局間際にテンパイを取って、危険牌をツモりたくないという理由で食い替えの応酬が起こったりすることに釈然としない人が多かったためでしょうか。ネット麻雀でもハンゲームや天鳳では元々無かったのですが、ある時期を境に食い替え禁止になりました。個人的に食い替え禁止は不要派ですが、「釈然としない」という感覚自体はよく分かります。
麻雀格闘倶楽部は食い替えが出来ませんが、ある時期(麻雀格闘倶楽部4〜5が稼働してた頃)、3フーロして残りの手牌が。ここに上家からが出てチーすると残った手牌がになり、どちらも切ることが出来ず、そのままフリーズして強制終了、無効試合になるという噂を聞きました。おそらく現在では修正されていると思いますが、もし事実ならダンラスで逆転の目が無くなった時に狙うのが有力な選択になります。
ちなみに天鳳のテストプレイで試しに同じ形を作ってみたところ。どう鳴いても食い替えになる場合は最初から鳴きの表示が出ませんでした。オンライン麻雀ではプログラムが無駄に長くなるというのも、この手のルールが不要である理由の一つと言えそうです。
▼麻雀の不要ルールー天鳳ブログ
ただ、この手のルールの話になると何度も言うことになりそうですが、「合理性から言えば不要なルールである」という意見には全面的に賛同しますが、「廃止することが麻雀の普及につながる」という意見については懐疑的。麻雀が広く普及したからこそ、合理性から言えば不要なルールが多々あるというのが実情であると考えます。