第207回より各方面から麻雀関連の質問をいただきました。誠にありがとうございます。
私がここまで麻雀界に携わってこれたのは、いわゆる「何切る」への興味が尽きなかったからです。実戦は時間と環境が整っていなければ続けられませんが、何切るは麻雀のルールさえ覚えていればいくらでも頭の中で考察することができます。14枚の組み合わせだけでも326520504500通り もあるのですから、題材が尽きるということがありません。
実戦で役に立つ「何切る」問題集といえば、「ウザク本」シリーズ。私も校正を担当させていただきましたが、「何切る」の決定版と言っても過言ではないと思います。河込みの何切るなら、『超実践 麻雀「何切る」「何鳴く」ドリル』も外せません。
昔は、「何切る」を解いても役に立たないという考え方がむしろ主流だったように思います。基礎が出来てこそ応用が出来るのですから、「役に立たない」というのはいささか的外れな指摘でありますが、優秀な問題集が登場する前の時代背景を振り返れば、そのように主張される人が多数出るのもやむを得ないことであったように思います。当時の「何切る」は、解答、解説が明らかに誤っているもの、問題が実戦的でないものが多々ありました。私自身、解答が本当に合っているか納得がいかないことが多く、オンライン麻雀を始めた頃は何切るにほとんど興味が持てませんでした。
私の「何切る」観が変わったのは、とつげき東北氏の何切る掲示板や、当時Cさんを始めとするリアル強豪が集まっていた2chの何切るスレを閲覧するようになってから。実戦的な問題に対する強者間の議論に最初は全くついて行けず、何度となく衝撃を受けたものでした。
今となっては強者の合理的思考を戦術書やブログ、SNSで手軽に学ぶことが出来るようになったので、「取り組み次第で何切るは必ず実戦で役立つ」と自信を持って言えるようになりましたが、個人的に考察していて面白いのは、あまり実戦的とは言えない問題や、回答が分かれがちで問題集に収録するのが難しい問題。需要があるかは分かりませんが、易問から難問まで、良問から奇問まで、平面から立体まで、創作から実戦まで、古典から最新まで。ジャンルを問わず何切る問題を解説、考察していくシリーズを今後やってみようと思います。