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第234回 ネマタの麻雀徒然草

第234回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

当時(2003年頃)のMFCのCPUがどのような打ち方をしていたのか。私はコナミの関係者ではないので詳細は分かりませんが、当時公式でも認められていたのは、チートイツでアガることが特に多いということでした。

一昔前のCPUに数万局単位で打たせた時の手役の出現率(メンゼン前提の一人麻雀なので、必ず複合するリーチ、メンゼンツモは除く)データを見たことがあります。(時期は不明ですが、90年代前半の麻雀ゲームはCPUは対局のアルゴリズムは持っておらず、最初からテンパイしていてプレイヤーが上がれないと適当なタイミングでアガる仕様だったので、MFC初期と時期はあまり変わらないと思われます。)それによると出現率1位は平和でしたが、2位はタンヤオでも役牌でもなくチートイツでした。

ここから予想されるのは、当時のCPUの手組のアルゴリズムは、「単純にシャンテンが進む枚数が最大になるように打つ」というものです。例えば配牌でメンツ手としては4シャンテンでも、トイツが3つあればチートイツ3シャンテンなので、完全にチートイツに決め打つことになります。単純な受け入れ枚数ならチートイツ狙いが最大というのはよくあることで、逆にこのやり方だと、実戦ではチートイツより遥かに出現率が高いホンイツは滅多にできません。

この方針で打てば手変わりは考慮に入らないので、テンパイすれば大体即リーチ。人間であれば手変わりを待ちそうなチートイツの単騎待ちを即リーチして、ツモって裏ドラが乗れば跳満。このような光景を何度も見れば、「CPUが積み込みの類をしているのではないか」と疑う人が出るのも容易に想像できます。

では何故、槍玉に挙げられたCPUが、「いとさん」だったのか。MFCは初段になるまでの打ち筋で、青龍(ドラ使用率が高いまたは役満和了)、朱雀(和了率が高い)、白虎(平均翻数が高い)、玄武(放銃率が低い)の4タイプに分けられ、CPUにも属性が振り分けられているのですが、手組に関してはどの属性もそれほど差異があるようには見受けられませんでした(一応公式では、朱雀はよく鳴く、青龍はドラが多くあれば鳴く、玄武はダマが多い等の説明がされていました。)

一方、押し引きに関しては明確な違いがあり、玄武はリーチに対するベタオリの頻度が高い傾向にありました。単純な受け入れ重視で手を進めていれば、先制リーチに1シャンテンから押し返せる手組にはなかなかならないもの。よって無理に押してくるより、すぐにベタオリしてくる玄武属性のCPUの方が勝ちづらいと言えます。

「いとさん」はまさにこの「玄武属性」のCPU。積み込み疑惑が上がったのは、CPUの中では比較的強かったからと考えられそうです。一方、ウザいと評された「くぼーん」は朱雀属性。赤ドラアリのこのルールでは手数が多いということはそれだけ爆発力があるということですが、よく鳴く分守備力が弱く、リードしているところからも他家に振り込みまくることもしばしば。打っている側としては爆発する時も炎上する時も「ウザい」ものです。

ちなみに「何切る」でおなじみのG.ウザク氏の「ウザク」もMFCが語源。朱雀属性の打ち手がよく鳴く(ついでに自分以外によく振り込む)のがウザいことから、ウザい朱雀を縮めてウザク。昔ブログでMFCの記事も書かれていたので私はすぐピンと来ましたが、最近知ったという方は、鰻ときゅうりの酢の物のことと思ってしまうかもしれませんね。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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