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第281回 ネマタの麻雀徒然草

第281回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

鳴くと翻数が下がる「食い下がり」は麻雀にリーチが導入されてから採用されたもの。日本麻雀独自のルールです。海外勢の方と麻雀を打つととにかくよく鳴くという印象を受けるのもこのため。世界的に見れば、日本勢があまり鳴かないと言った方が近いのかもしれません。

ただ、メンゼンで進めることを優遇する役はリーチ導入以前からあります。今でもお馴染みの三暗刻、四暗刻(そして九蓮宝燈)です。

暗刻とは、ツモだけで完成した刻子のこと。メンゼンがどうかは問いません。よって鳴いても三暗刻は成立しますし、ツモり四暗刻の言葉通り、シャンポン待ちならツモって初めて四暗刻、出アガリだとトイトイ三暗刻止まりです。麻雀のルールはいつの間にか覚えていた私でしたが、シャンポン待ちをロンアガリした場合は暗刻にならないというところだけは少しつまずいた記憶があり、今でも符ハネするかどうかで間違えそうになることがあります。

四暗刻は文字通り四つの暗刻だから、暗槓があったら四暗刻にならないのではという疑問を見たことがあります。もちろん現在のルールにおいては、「暗槓は暗刻でもある」ので四暗刻が成立します。

しかし実際に、「暗槓があるものは四暗刻にならない」とするルールがあった時期もあり、現在でも四暗刻に該当する役で暗槓を不可とするものが存在するようです。また、単騎待ちをツモアガリした時だけ四暗刻を認めるとしたルールもあったようです。現在では役満の割にはかなり難易度が低い四暗刻ですが、このルールなら並の役満以上に出すのが難しそうです。

四暗刻が割のいい役満なのに対して、三暗刻は2翻止まり。他の2翻役と比べても難易度が高いので、三暗刻を3翻役にする、あるいは二暗刻を1翻役として採用すればどうかという話もあります。リーチ麻雀以前は役満と清一色以外は全て1翻役で、リーチが普及するにつれて比較的難易度の高い役が2翻扱いになったという歴史的経緯を踏まえれば、2翻扱いで、その下位役は存在しないというのも妥当なところではあります。

中国麻将では双暗刻(二暗刻)があり、同様に双同刻(二色同刻)、喜相逢(二色同順)が存在します。中国麻将にはリーチ、表ドラ、符が存在せず、1翻縛りの代わりに8点縛りがあるので、このような細かい手役をつける技術が要求されます。一方日本麻雀はとりあえずリーチすれば1翻縛りが解消され、打点もドラがあれば高くなります。日本麻雀に「二」のつく役が少ない理由は何故かという考察としてこのような記事が掲載されたこともありますが、「元々無かったし、新しく役を作る必要性も薄かった」というのが実際のところのような気もしますね。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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