リーチ麻雀が普及してから採用されるようになった(アルシーアル麻雀では採用されていない)役、残りは河底、三槓子(四槓子)、緑一色があります。河底が以前は採用されていなかった理由は第265回で取り上げました。三槓子(四槓子)についても第152回で取り上げ、特に新しく話すこともなさそうなので、今回は緑一色について取り上げてこの話題は一旦お開きといたしましょう。
チートイツ同様、緑一色もアメリカ生まれとされますが、こちらもチートイツ同様、中国在住のアメリカ人によって採用されたとする説が有力です。
緑一色のがになったローカル役満。「紅一点(萬緑叢中一点紅)」があります。こちらは中国生まれであることが明らかになっています。語源からしても漢詩が元になっているのですからうなずけるところです。が雀頭のものを一点紅として紅一点と区別する場合、あるいは雀頭のもののみを紅一点として認める場合もあるようです。
緑一色と異なり、紅一点はの使用が必須(そもそもが無ければ「紅一点」でないですね)ですが、緑一色もの使用が必須とするのが以前では主流で、今でも採用される場合があります(日本プロ麻雀連盟など)。
ところが緑一色について紹介されている最初の記述には、の有無については言及がありません。ルールで言及が無ければ制限されていないと考えるのが自然ですが、実際にの使用が必須だったという事実があります。当時のルールでは清一色の時点で十分高打点だったので、無し緑一色が認められないとしてもさほど問題にならなかったというのもありますが、ひょっとすると紅一点という役が先にあって、それを参考にして出来たのが緑一色。紅一点にが必須なのだから、緑一色にもが必須とされたのかもしれません。
緑一色から派生したローカル役満は他にもあります。緑一色でない索子のとだけを用いた「紅孔雀」。緑一色に対抗して作られた日本生まれの役だそうです。使える牌が緑一色より1種少ない5種。1アタマ4メンツで全て使う必要があるとなると難易度はかなり高そうです。麻雀ゲームで採用されているのを見て、ローカル役のデザインとして秀逸と思わされた記憶があります。
緑一色の雀頭部分をにしたのが「緑一色輪」。雀頭を限定しているので、これも緑一色より難易度が高い役。どのような過程で作られたのかはよく分かっておらず、私も最近になって知りましたが、麻雀ゲームで実際に採用されている例があるようです。の使用を認めない場合もあります。
緑一色といっても白色も含まれているのだから、を含めてもいいじゃないかという話も聞きます。調べてみると白有り緑一色の項目も出てきましたが、個人的には初耳です。
緑一色はの順子が使えますが、の代わりにを使用可としたものが「反緑一色」。それと緑一色輪と合わせて「反緑一色輪」とするという記述が見つかりました。
…と、ローカル役を調べていて見つかったものを取り上げてみましたが、私が「現代麻雀技術論」を執筆していた2008年当時、こうしたローカル役を見るのが好きで色々調べていた頃には掲載されていなかったような役も多々あります。「緑一色輪」については麻雀ゲームでの採用例があるようですが、それ以降の役については、最近になって誰かが創作しただけで実際の採用例は皆無かもしれません。
個人的には、「自分が勝手に創作しただけに過ぎない」ことを明記さえしてもらえば、こうしたオリジナル役を取り上げるのも、「麻雀はもっと自由に遊べる」という価値観が浸透して欲しいという思いからも歓迎します。皆様も一度自分だけのオリジナル役を考えてみられてはいかがでしょうか。