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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第3回 ルールを確認しよう(その3)

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第3回 ルールを確認しよう(その3)

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まもなく、Mリーグのセミファイナルシリーズが始まりますね。30人のMリーガーは、5つのプロ麻雀団体から選ばれています。人数の多い順に、日本プロ麻雀連盟から16人、最高位戦日本プロ麻雀協会から10人、日本プロ麻雀協会から2人、麻将連合とRMUからそれぞれ1人です。

この主要5団体の間でも、さまざまなルールの相違があります。これからプロを目指される方は、どの団体の試験を受けようか考えると思いますが、ご自身の麻雀観に合うルールを基準に選ぶのも、有力な方法だと思います。

では今回も、対局前に確認したいルールの紹介を続けましょう。

1 ダブロン、トリプルロンを認めるか?
 ダブロンは、2人が同時に「ロン」ということです。フリー雀荘やネット麻雀では認めることが多く、振り込んだ人は、2人に点棒を支払って大きく失点します。
 稀に、3人が同時に「ロン」という「トリプルロン」もあります。この場合は、3人ともアガリを認めず、途中流局にするルールが主流です。ネット麻雀の「天鳳」でも、「三家和了」と表示され流局します。

 一方、Mリーグやプロ団体の競技・大会では、ダブロンやトリプルロンはありません。アガる人は1局に1人だけです。複数の人が「ロン」と発声したら、振り込んだ人から見てツモ順が近い人、下家、対面、上家の順に、優先権があります。例えば東家の捨て牌が、同時に南家・西家に当たった時は、南家のアガリのみ認められます。これを「南家が頭(あたま)ハネした」ということもあります。

 私が「企業対抗戦」という大会に出たとき、隣の卓で、印象的な頭ハネがありました。北家が切った白に、対面の南家が「ロン」。手を開くと、役満の国士無双です。
 が、同時に東家も「ロン」と言っていました。白と西のシャボ待ちのホンイツ。頭ハネとなり、南家のアガリは幻に。役満が蹴られる珍しい場面に、会場はどよめきました。
 ダブロンやトリプルロンの扱いは、試合結果を大きく左右します。トラブルを防ぐためにも、事前に確認しておきましょう。

2 途中流局があるか?
 「途中流局」は、まだツモ牌が残っているのに、その局を終了させることです。一般には、九種九牌、四風子連打、四カン流れ、4人リーチ、トリプルロンの5つの理由があります。
 途中流局があると、気を付けることが増えます。例えば自分が西家で、配牌がとても良いとしましょう。一巡目で東家、南家ともを切ったときに、自分もを捨てると、北家もを切った瞬間に「四風子連打」となり、局が流れてしまいます。せっかくの好配牌をむだにしないように、注意が必要です。
 競技界では、日本プロ麻雀連盟の公式ルールが、九種九牌、四風子連打、四カン流れ、4人リーチは途中流局と定める一方、Mリーグや他の4団体は途中流局を採用しないなど、双方のルールがあります。

3 オーラスの親のアガリ止めはあるか?
 フリーの麻雀店などでは、オーラス(最終局)の親がアガってトップであれば、ゲーム終了を選択できるルールが多いです。「アガリ止め」といいます。例えばオーラスで、親が1500点アガれば僅差でトップになれる場合、安くても早いアガリを目指し、試合を終わらせる作戦が有効になります。
 一方、「アガリ止め」がなければ、親が僅差で安い手をアガっても、その後対局が続くので、勝利は確かなものにはなりません。このルールの有無が、オーラスの戦術に大きく影響します。
 「アガリ止め」があると、最後の親だけが強い選択権を持つことになるので、競技では一般に採用されておらず、Mリーグでもありません。

4 パオ(責任払い)があるか?
 パオ(包)とは、他家の役満を確定させる牌を鳴かせた後、役満をアガられた場合に、鳴かせた人が多く払うルールです。多くの場合、大三元、大四喜、四槓子が対象です。Mリーグの公式ルールは「ツモアガったら責任払い、別の放銃者がいたら折半払いとなる」と決めており、一般にもこのルールが多いようです。

 例えば、を鳴いている人がいたとしましょう。を切って鳴かれると、大三元が確定しますね。その後ツモられると、を鳴かせた人が、32000点(アガった人が親なら48000点)をすべて負担します。
 「役満ができかけの他家がいるのに、わざわざキー牌を鳴かせでアガらせてしまったのだから、責任をとって支払ってください」という考え方がベースにあります。
 一方、プロ麻雀団体のうち最高位戦日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀協会、RMUはパオを採用していません。両方のルールがあるので、確認しておきましょう。 

包を適用しないことを定める最高位戦日本プロ麻雀協会の競技規定


5 数え役満が役満をあるか?
 役満は一般に、天和、地和、国士無双、四暗刻、大三元、緑一色、字一色、小四喜、大四喜、清老頭、四槓子、九蓮宝燈の12種類です。このほか、普通の手で13翻以上になったら役満とするルールがあります。「数え役満」といいます。カンドラや裏ドラが多く乗った場合になりやすく、例えば「リーチ、ツモ、ホンイツ、三暗刻、ドラ6」などで13翻になりますね。
 Mリーグをはじめ、競技では、数え役満はほとんど採用されません。13翻以上の手は、何翻あったとしても、三倍満となります。

6 役満の複合があるか?
 いわゆる「ダブル役満」「トリプル役満」などを認めるかも、大事なポイントです。例えば、
   
は東と南、どちらでアガっても、大三元かつ字一色です。このときに役満同士の複合を認め、「ダブル役満」として点数を倍にするルール(親だと96000点、子だと64000点)と、複合を認めないルールがあります。
 めったにない出来事ですが、役満が複合するかしないかで、結果が大きく変わることもあります。Mリーグでは複合が認められています。
  なお、難易度の高い「四暗刻単騎」や「国士無双13面待ち」を、特別にダブル役満にするルールもありますが、これは純粋な複合とはいえず、競技では採用されていません。
 
6 切り上げ満貫があるか?
 麻雀の点数は、子の場合、
 符×2×2×2の翻数乗×4
という式で計算します(この式は、特に覚える必要はありません)。
 30符4翻だと、30×2×2×2×2×2×2×4=7680で、原則通りだと7700点になります。
 ただ一般には、これを「切り上げ満貫」とし、8000点にするケースが多いです。
 60符3翻も、原則どおりだと7700点ですが、同様に8000点にします。
 いずれも親の場合は、原則通りだと11600点のところ、12000点に切り上げます。

 キリのよい数字にした方が、点数計算や点棒の授受も楽で、便利な面もあります。Mリーグでも切り上げ満貫を採用しています。
 一方、原則どおり7700点、11600点とする競技ルールも多くあります。ネット麻雀の「天鳳」や「雀魂」も、切り上げ満貫は採用していません。

 3回にわたって、ルールのバリエーションをご紹介してきました。このほかにも、どのような場合にチョンボになるか、自分のツモ番がない時にリーチを認めるか、親が流れる条件(通常はノーテンだと流れますが、アガらない限り流れるルールもあります)、がなくても緑一色は成立するか、オープンリーチや流し満貫のような特別な役を認めるかなどの違いがあります。
  ややマニアックな論点もあるので、最初からすべてを理解しなくても十分ですが、「だいたいこういうポイントがあるんだな」とつかんでおくと、得をする場面が多いと思います。

 次回は、座順(東家、南家、西家、北家)の話をご紹介しましょう。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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