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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第11回 チョンボを防ごう(その1)

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第11回 チョンボを防ごう(その1)

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「契約獲得にリーチをかけた」「あそこでテンパってしまって」「朝から連チャンで打ち合わせだ」など、日常会話で使われる麻雀用語は多いですね。「チョンボ」もその一つです。一般的に「失敗」「間違い」などを指す言葉として、多くの国語辞典に載っています。

この「チョンボ」、語感は可愛いのですが、できれば避けたいですよね。

自信満々で「ロン」と手を開くと、なぜか周囲は沈黙。「それは、、、役がないのでチョンボですね」と言われたときのショック。卓上を流れる気まずい空気は、一度味わうとやみつきになります(うそです)。ああ、なぜ私は今日麻雀に来てしまったのだろう。穴があったら入りたい。楽しい時間が一瞬で暗転します。

が、それで麻雀を嫌いにならないで頂きたい、と強く願っています。私も何度もやらかしていますし、上級者でも、手痛い経験をしている方が多いです。人が行うことは、必ず一定の確率でミスを伴うものなのです。

そのうえで、チョンボが起きやすいパターンと、対策を考えましょう。

●パターン1 役なしでアガる
A ピンフもどきでアガる
ピンフのアタマに使える字牌は、オタ風(場風でも自風でもない風)だけです。[白][発][中]はアタマにはできません。例えば東場の南家であれば、[東][南]もアタマにできず、[西][北]だけが使えます。字牌がアタマのときは、ピンフになっているか確かめましょう。

B 鳴いたら役にならない手でアガる

だいたいの役は鳴いてもOKですが、鳴いたら成立しない役もあります。ピンフもそうですし、イーぺーコーもそうですね。

例えば
[二][二][三][三][四][四][⑥][⑦][9][9]   チー [②][③][④]

[9]があるので、タンヤオではありません。マンズのイーペーコーの部分は鳴かずにできていますが、他の部分を鳴いたら、その瞬間イーペーコーの役は成立しなくなります。また、鳴いているのでピンフでもなく、役がない状態です。ここから[⑤][⑧]でアガるとチョンボになってしまいます。

C 場風や自風を勘違いする
南場に入ったのに、[東]のみでアガろうとするようなケースです。局のはじめに「南1局、自分は西家ヨシ!」というように確認することで防げます。

初心者の方にお勧めの対策は、なるべくメンゼンで進めてリーチをかける意識を持つことですね。リーチは役なので、どんな手でも、リーチをかければ役なしにはなりません。また、一発や裏ドラが期待でき点数が高くなりやすく、他家が警戒しオリてくれることも多いです。
リーチは、チョンボを防ぐ意味はもちろん、戦術的にも、初心者が実力者に勝つための重要な武器になるのです。

●パターン2 フリテンに気付かずアガる

フリテンは、麻雀を覚えたてのとき、悩まされるものの一つです。「なぜこんな制約があるの?」と思われるかもしれませんが、この疑問は、日本の麻雀の本質にかかわる問いでもあります。「麻雀ウォッチ」の中国麻将に関する連載のなかで、フリテンの発祥が解説されていますので、こちらをご覧ください。

要約すると、中国の麻雀は、ツモでもロンでも3人が点棒を支払うが、日本では戦前のある時期、ロンの時は振り込んだ人だけが支払う決まりに変わった(放銃一家包といいます)。振り込みが大きな罪になったので、放銃を避けるための情報が多い方がゲームのバランスがよくなった、ということです。

「この人には振り込みたくない」と思えば、その人が捨てた牌(現物)を切れば、当たることはありません。あるいはリーチをされても、その後他家が切った牌を捨てれば、ロンはされません。フリテンではアガれないからですね。この縛りがあることで「安全牌」ができて、守りやすくなっているわけです。もしフリテンがないと、何を頼りに守ればいいのか、怪しくなってしまいます。

放銃一家包の導入は、ゲームの性質を大きく動かすインパクトがありました。「令和版 現在麻雀押し引きの教科書」(鉄人文庫)の前文で、著者の福地誠氏は、その影響について「いい手を作るゲームだった麻雀は、押し引きのゲームに生まれ変わった」と述べ、体感として、日本の麻雀は勝敗の80%以上が押し引きで決まっている、としています。その重要な押し引き判断のために、フリテンは欠かせないといえるのです。

さて、フリテンの基本は、「おしえて!はるごー先生#8」で分かりやすく解説されています。

では、フリテンになりがちなケースを紹介しましょう。

A 序盤に切った牌が後で待ち牌になる

配牌で[①][④][⑤]とあり、孤立している[①]を切ります。その後、[③][⑥]をツモり、[③][④][⑤][⑥]の4連形ができます。4連形は強いので残します。そして[②]をツモります。

[②][③][④][⑤][⑥]となり、やったぜ[①][④][⑦]の三面張だ!と思いきや、あれ、最初に[①]を捨てているな、と気付きます。孤立牌と思っていたら、あとでつながるパターンですね。フリテンなので、この待ちでロンはできません。

ただし、三面張のような多面待ちはツモれる可能性が高いので、状況によって、フリテンを承知でリーチをかけ、ツモにかけることが有効なときもあります。フリテンはロンはできませんが、ツモはOKだからです。

B 片アガリになる

テンパイで待ちが複数あるとき、ある牌でしか役がつかずアガれない状態を「片アガリ」といいます。

[一][二][三][③][④][⑤][6][6][中][中]  ポン[⑧][⑧][⑧]

例えばこれは、形の上では[6][中]が待ち牌ですが、[中]だと役がありアガれるのに対し、[6]だと役なしでアガれません。この状態で[6]をツモって切ると、他家から[中]が出てもロンができなくなり、アガれるのは[中]をツモった時だけになります。

「同巡フリテン」の縛りもあるので、下家が[6]を切った直後に対面が[中]を切るようなケースも、残念ながらロンはできません。

[二][三][④][⑤][⑥][⑥][⑦][⑧][2][2]  ポン[6][6][6]

のような手牌も、[四]ならタンヤオでアガれますが、[一]だと役なしでアガれないので、同様です。

特に、同巡フリテンは気づきにくいことが多いですね。アガれない方の牌は、意識していないことがあるためです。

片アガリは、ぜひとも加点したい時や他家の親を流したい時など、有効な手段ですが、制約も多いので、慣れないうちは無理にしなくてもよいかもしれません。

C リャンカン→カンチャン→リャンメンに変わる

[③][⑤][⑦]
[四][六][八]のような形を、カンチャンが2つあることから、リャンカンといいます。

手が進むと、端のどちらかを落としてカンチャンにすることが頻繁にあります。
[③][⑤][⑦]から[⑦]を切って、[③][⑤]にするようなケースですね。

しばらく経って、[⑥]をツモります。カンチャンからリャンメンに変わった!と、今度は[③]を切って、[⑤][⑥]にします。が、すでに[⑦]を切っているので、フリテンになります。

[⑦]を切った直後なら気付きやすいのですが、巡目が経っていたり、他家のリーチを受けて回っていたりすると、気付かないときがあります。

私が、麻雀最強戦の予選に出ていたときに、恥ずかしながら、こんなケースがありました。

序盤に、[2][4][6]から[2]を切り、下家にチーをされました。

その後、上家のリーチを受け、回りながら、自分もテンパイを目指します。そのうち[6]が安全牌になったので、落とします。手のなかは[4]が1枚残っています。

終盤、[3]をツモってテンパイします。[3][4]となり、しのぎながらリャンメン待ちでテンパイできて大満足です。と、下家が[5]を切りました。すかさず「ロン!」と手牌を倒し、痛恨のチョンボとなりました。

そうです、最初の方に[2]を切っていたのです。チーをされて自分の河にはなく、見落としていたのでした。チーをされると、下家の右側、遠い場所に置かれて視界から消えやすくなるので、要注意です。

フリテンによるチョンボの防止策は、「テンパイした時に、フリテンではないか、必ず自分の捨てた牌を確認する」「卓上全体を見渡し、鳴かれた牌も確かめる」ことに尽きます。特に、リーチを受けてオリ気味に迂回し、ようやくテンパイした時などは、苦労してたどりついた満足感で頭がいっぱいになり、見逃しやすくなります。どんな時も「フリテンではない、ヨシ!」と確かめましょう。

なお、他家がロンした時も、フリテンではないか必ず捨て牌を確かめましょう。人のあら探しをするようで少し気がひけますが、万一フリテンだった場合、ゲームの勝敗に大きく影響します。

次回は、「パターン3」として、牌の扱い方でペナルティが課されるケースを考えます。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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