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条件戦の希望、絶望、叫び、祈り。全てが詰まった高打点の応酬を制したのは…!?【GroupC ♯3 担当記者・神尾美智子】

条件戦の希望、絶望、叫び、祈り。全てが詰まった高打点の応酬を制したのは…!?【GroupC ♯3 担当記者・神尾美智子】

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梅雨真っ只中。外では雨がしとしとと降り続く。
今宵のシンデレラファイトは、梅雨の憂鬱を一気に吹き飛ばすほどの、あまりにも熱い戦いであった……。


GroupC #3は、#1#2で2着3着だった以下の4名で開幕。
東:成海有紗
南:梶梨沙子
西:椿彩奈
北:朝比奈ゆり

#1、#2までのラス回避とは異なり、#3では上位2名がBest16に進出となる。
2着目を意識した打ち方が見どころだ。
1日で2種類のルールを楽しめるのも、シンデレラファイトの面白さのひとつだ。


東1局、朝比奈がドラの[四]が3枚ある勝負手の聴牌。
[二][三]待ちでリーチをかける。

リーチをした朝比奈から出る[⑤]を親の成海がチー。[六]を切り、456の3色・ドラの聴牌をとる。


白をポンしていた梶が[七]を引き入れ、白・赤赤を聴牌。
筋となっていた[三]が、朝比奈への放銃となってしまう。


そしてなんと裏が3枚乗り、リーチ・ドラドラドラ・裏裏裏の12000のアガリとなる。


東1局からの大きなアガリに、椿も思わずこの表情である。


いかに2着を目指すかの争いが続き、南3局開始時点の点数は以下。

東家・椿彩奈 29700
南家・朝比奈ゆり42000
西家・成海有紗11800
北家・梶梨沙子16500

成海と梶は2着目の椿との点差を詰めて、できればオーラスに満貫ツモ条件は残しておきたい。
オーラスはトップ目の朝比奈の親なので、連荘はないだろう。成海と梶に残されたのは残りたった2局。

7巡目、ラス目の成海がピンフ・赤赤を聴牌し[③][⑥][⑨]待ちでリーチ。
南3局のここで満貫をアガれば、オーラスに満貫ツモ条件を残せる。

梶はこの南3局で聴牌しておくと、オーラスに満貫ツモの条件が残る。
降りると跳満ツモ条件となり、条件としては厳しくなる。

梶はリーチの成海に通っている[一]を切り、聴牌できるルートを探る。

椿から出る[中]を梶がポン。

梶は中のみの1000点の聴牌だが、1000点をアガってもオーラスの条件は跳満ツモで、降りた場合と変わらない。
聴牌料に価値はあるがアガリには価値がない、非常に面白い局面だ。
そして梶に、成海の当たり牌の[③]が来てしまう。

降りてオーラスの跳満ツモ条件に懸けるか、聴牌続行で満貫ツモ条件にするか。
やはり現実的な満貫ツモ条件は残しておきたい。



悩んだ末、梶は聴牌続行を決断し[③]を放つ。
この[③]を成海が捕らえ、リーチ・ピンフ・赤赤の8000のアガリとなる。

そして運命の南4局。
勝ち上がりの1席は朝比奈がほぼ手中におさめ、事実上、残り1席をめぐって椿、成海、梶が争う形になった。
梶と成海はもうこの1局しかない。椿はこの1局を耐えれば勝ち。
4人のシンデレラにとって運命の午前0時が近づいてくる。

成海の条件は満貫ツモか、椿からの5200直撃だ。

そうはさせまいと、2着目の北家の椿が[北]をポンし、自力でアガって勝負を決着させにいく。


1ソーもチーし、椿は[⑥][東]のシャンポン待ちで聴牌。
梶や成海からリーチが入っても[東]で降りられる、安定感のある手を組む。

予選Finalから勝ち上がってきた椿は、「シンデレラファイトがいま一番大事にしている大会で、赤ありを打ち込んできた」と語っており、本大会にかける熱量が一打一打から伝わってくる。



成海は[一]を引き入れ、[6][9]待ちの聴牌。現状はドラも役もない。

満貫ツモを満たすには、裏裏や、赤裏、一発裏などが必要になる。
成海は一旦ダマを選択。
ドラの[西]単騎や、[赤⑤]が来るまで待つことも考えていたであろう。

3段目に入り、成海は[8]を持ってくる。裏ドラの表示牌にいてほしい[7][⑨]は成海から3枚見えでどちらも1枚は残っている。[赤5]もある。
成海は[9]を切り、リーチを決行。


一発目、なんと念願の[5]をツモる成海。

あとは裏が1枚乗ってくれれば…
祈る思いでめくったそこには、裏1となる[5]が。


リーチ・一発・ツモ・裏の2000・4000となり、椿をまくり2着となった。
[5]は成海にとって、まさにぴったりのガラスの靴だった。


全てのアガリが満貫以上の高打点の応酬となった#3。結果は、1着の朝比奈と2着の成海がBest16に進出。
南3開始時点で敗退確率96.5%だった成海は、細い糸を手繰り寄せた。
麻雀は、ときに確率を凌駕する。

対局後、成海は涙ながらに喜びを語った。

3着の椿とラスの梶はここで敗退となった。


椿と成海は同じ日本プロ麻雀協会で、入会時期も近い。
事前アンケートの「本日の出場者の中で特に気になる選手は?」という質問に、お互いがお互いを答えている。まさに運命のライバルだ。

GroupC #3は好敵手の二人の思いが交錯した試合であった。今回の熱い戦いは、そんな彼女たちが今後も紡いでいく名勝負の歴史の序章に過ぎないのかもしれない。

Day3結果レポート

#1,#2観戦記

心優しい2人の【仲介者】に明暗クッキリ【GroupC ♯1 担当記者・中島由矩】

ゴール目前の悪夢【GroupC ♯2 担当記者・坪川義昭】

公式HP

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