夏がやってきた。
海開き!花火大会!そして、シンデレラファイト!
胸が高鳴る。
シンデレラファイト——それは夏の風物詩というだけでなく、麻雀を愛するすべての人々の心を揺さぶる、特別な舞台なのだ。
今年もまた、その季節がやってきた。
本日開幕したシンデレラファイトは、1戦1戦が真剣勝負。ラスになった選手が姿を消す「サバイバルマッチ」で、生き残りを賭けて戦う。
1位は次戦をスキップしBest16に進出。2位と3位は次戦の#3を戦う。そして、ラスは即脱落。
一度ラスを引くとそこで敗退。
“もう一回”がない戦いなのだ。
GroupA #2の 4人の選手を紹介していきたい。
第8期&9期桜蕾戦で準優勝という輝かしい実績を持つ瀬戸麻衣。麻雀BARスパナの店長を務める柊なつき。4年連続本戦出場という安定感を誇る陽南まこ。そして、同じく4年連続本戦出場の経験豊富な羽月。
本戦初出場の瀬戸・柊 vs 常連の陽南・羽月という対戦カードとなった。
選手の紹介動画も見応えがあるので、ぜひ観てほしい。
撮影現場での楽しそうな瀬戸麻衣
お菓子のASMRを披露する陽南まこ
家で4匹の猫と戯れる柊なつき
激辛チャレンジに挑戦する羽月
座順は以下で開幕した。
東:瀬戸麻衣
南:陽南まこ
西:柊なつき
北:羽月
まずは東3局からみていきたい。
ドラは。親番の柊は
を鳴いて混一色に向かう。
トップ目の羽月はピンズの混一色を聴牌し、ここで決めてやるぞの気迫のリーチ。
待ちは。
親番の柊も、ドラの単騎で聴牌となる。
羽月に危険なを引いた柊。ここで彼女が選んだのは、
切りでの冷静な降り。
「きちんと守れるからこそ、大胆に鳴ける」というお手本を見せてくれた。
実は、柊がプロの道を歩むきっかけとなったのは、人生で初めて観た麻雀番組、シンデレラファイトだったのだ。
その憧れの舞台で、冷静に丁寧に打つ姿は美しい。
南3局開始時点、羽月が45200点持ちとなり、トップはほぼ確定となった。
2着目の柊とラス目の瀬戸との差は、たった3900点。
オーラスはトップ目の羽月が親なので、連荘の可能性は低い。
南3局が、まさに運命の分かれ道となる展開だった。
南3局を制したのは先制リーチをかけた瀬戸だった。
をツモった瞬間、卓上の空気が変わった。
裏が乗らなければ柊は3着目、裏が乗るとラス目。
結果は——裏が乗った。
リーチ・ツモ・ドラ・裏の2000・4000を瀬戸がアガリ、
柊は400点差のラス目となってしまった。
南4局、陽南も柊もなんとしても1000点をアガリたい。
生き残りをかけた、最後の局が始まった。
が対子の柊、
さえ鳴ければすぐに決着がつきそうだ。
だが、手を進める必要がないトップ目の羽月はを出さない。
最初に聴牌したのは、2着目の瀬戸。待ちは。
3着目の陽南もすぐに聴牌し、待ち。
聴牌をしていない柊にとって、焦る時間が続く。
はやく、はやく聴牌だけでも…!
そして数巡後——陽南がをツモった。決着がついた瞬間だった。
1位通過:羽月
2位:瀬戸麻衣
3位:陽南まこ
脱落:柊なつき
1位通過の羽月は、Best16への切符を手にした。2位と3位は直後にある#3を戦うことになる。
そして、ラスとなった柊——彼女の今年のシンデレラファイトは、ここで幕を下ろすこととなった。
麻雀の神様は時として残酷だ。
噛み合わせが悪いと言えばそうかもしれない。だが、それにしてもきつい展開だった。
全てを受け入れた柊は、華麗な表情でこの舞台を去った。
シンデレラファイトでは、対局後に解説の綱川プロが一場面を取り上げて、敗退となった選手と反省会をするのが恒例となっている。
しかし——なんと今回の柊に関しては、綱川プロからの「お咎めなし」。
反省すべき箇所がなかったのだ。
非の打ち所がなくても負けてしまう。
麻雀というゲームの残酷さと美しさを同時に体現した試合だった。
自分を構成する3要素として「たばこ、猫、スパナ」を挙げた柊。
来年は、自身が店長を務める麻雀barスパナに、ガラスの靴を飾りたい。
Day1結果レポート
#1,#3観戦記
ぴっぴは麻雀に片想い中。【シンデレラファイト シーズン4 GroupA #1 担当記者・中島由矩】
~瀬戸麻衣の脅威、山本亜衣の進化~【シンデレラファイト シーズン4 GroupA #3 担当記者・坪川義昭】