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「ゲオスミン漂うドリブンズ」赤坂ドリブンズ 18回戦(10月26日) マッチレポート

「ゲオスミン漂うドリブンズ」赤坂ドリブンズ 18回戦(10月26日) マッチレポート

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ペトリコール――雨の匂いを指す言葉。

晴天の東京オフィス街とは裏腹にドリブンズのクラブハウスはペトリコールで満たされていた。

無理もない。100pt近くあった貯金を4着-4着-3着と直近の3試合で全て溶かし、借金生活に突入したのだ。


園田「チームのムードが盛り下がっているのは感じていた。そのためにもこの試合は、しっかりと快勝したい。」

そう意気込んで迎えた1戦。

開局、園田は好配牌をもらうと、くっつきのイーシャンテンから、打ではなく、なんと打としていく。

園田「を全員が早い巡目に切っていて4枚切れ。もほとんどないと思ってたから、ソウズのくっつきに期待が持てなかった。」

牌理上、早い巡目にを切っている選手はを手の内に持ってることが多くなる。がないのなら、形だけの連続形であるソウズへの期待度は著しく下がる。それならば、を残して引きの234三色で跳満や倍満という最高打点を目指そうというのである。

園田「ただ、これはさすがにやりすぎたかなと反省してる。必勝の覚悟で挑んだ試合。おすわり一発目で望外の勝負手が入って、気持ちが入りすぎたな。」

確かに、がない前提であっても、引きでの高目ツモ跳満リーチや、引きのシャンポンリーチなども有力な選択である以上、よりはを残した方がよかったのかもしれない。

次巡、でリーチをかけるも流局で空振り。どの選択でも結果は変わらなかったが、チーム状況が園田のバランスを前がかりにさせている。

東3局では、親の魚谷選手の仕掛けに対し、早々にドラのを打っていく。これもやはり強気の選択だ。

園田「自分はを鳴ければアガリの見込める手牌だから、前に出る選択をした。ゆーみん(セガサミー:魚谷侑未選手)の仕掛けは、”この瞬間”ならドラトイツの可能性は低いと思っていた。巡目が深くなるほどドラを重ねられてる可能性が上がって切りにくくなるから、今のうちって感じかな。」

こういった守備面に対する理屈はわかる。しかし、ドラが自分に重なるという攻撃面への視点は全く考えていないのだろうか。

園田「ドラを自分が重ねても1,000点が3,900点になるだけ。親は赤があったりすると12,000点になる可能性があるからね。自分の打点アップより相手の打点アップの方が高いことの方が多いから、この手はドラを先打ちして、かわし手として、局消化に徹することにしたんだ。」

東1局では気持ちが入りすぎていたと語った園田だが、ここで強気の選択をしていたのは、紛れもなく普段の冷静な園田だった。

すると、ここから1巡1巡柔軟に判断を変えていく園田麻雀が展開される。

2巡前、仕掛けに対しては勝負しているのだが、生牌のは止めて打としていく。

園田「ドラのが3枚見えたから数牌で当たって高いパターンはあまりないと思ってたのね。でも役牌だと5,800以上の中打点に放銃する可能性があるから、リャンシャンテンから切れる牌ではないなと。」

この絶妙な押し引きバランスが最高の結果を生む。を重ねると、400・700をアガり、見事にかわし手の役割を完遂しきって見せたのだ。

「最後は手の内全ての牌がゆーみんへの危険牌で、綱渡りみたいな仕掛けだったね。」と語る園田だが、ドラを序盤に処理することで、中盤以降に押し返しやすい手組にするという判断が見事だった。苦しい手牌でも1打1打に最善を尽くし粘り込む。園田らしさが、いい方向に向いてきた。

その粘り込みが対リーチでも見られたのが東4局

親番を迎えた園田だったが、5巡目に佐々木選手からリーチがかかってしまう。

園田「早い巡目のリーチ。良形かどうかも分からないし当たる牌の方が少ない。親だし簡単にはオリないよ。」

そう語る園田は、2枚あるからではなく、ツモ切りで反撃の意思を見せる。

そんな園田が、意外なところで手を止めた。

綱渡りのような押し引きの末、このイーシャンテンにを引いて20秒ほど長考したのである。が現物であるため、迷いなく打となりそうなところだ。

園田「当然だけど切るのはで決まっていた。あの時間は何を鳴くかを考えていたんだ。特にポンは出たらすぐに発声しないといけないからね。」

そう言うと、続けて語られたこの時点での園田のプランは、恐ろしく具体的なものだった。

園田「寿人さん(コナミ:佐々木寿人選手)から出たはポン打はスルー、周りが合わせたもスルー。ゆーみんから出たはチー打、通って合わせられたもチー打。」

白鳥選手、魚谷選手からの打が考慮に入っていないのは、ベタオリしている2人からほぼ出るはずのない牌だからであろう。このように重要でない部分をそぎ落とすのも、重要な部分に脳のリソースを割くための能力といえる。面白いのは、佐々木選手からはポンだがは鳴かないという思考だ。

園田「が通れば、を切って安全にテンパイを取れるルートが増えるからね。そこは無理に鳴かないつもりだったよ。」

全ての考えをまとめてから牌を切る。このプロとして当たり前の準備ができているからこそ、園田賢は迷わない。ゆえに自分の選択に関して揺ぎ無い自信があるのだ。

 

その姿勢は、第1打であっても変わらない。

南3局、第1ツモから1秒後にリーチ宣言。

園田「これも決めてたね。が出たときはポンしようと思ってたんだけど。」

筆者がテンパイだと認識したときには既にリーチがかかっていた。

園田は決断が早いわけではない。準備が整っているから早いのだ。

この6,400を魚谷選手から直撃すると、同点2着に浮上。

先手を取られる展開が続いたが、なんとか粘り込み、そのまま同点2着で凌ぎ切った。

依然として苦しい状況が続くドリブンズだが、園田による綱渡りの粘りで負の連鎖を止めた。

ゲオスミン――雨上がりの香り。

ドリブンズのクラブハウスには、ゲオスミンが漂い始めた。

雨が上がれば、反撃開始だ。

この記事のライター

阿部 柊太朗
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
関西を中心に活動している95年生まれのゆとり世代。
Mリーグでは赤坂ドリブンズの記者として活動中。
目指すは未来のMリーガー!

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