11月16日現在、168.6ポイントでリーグ首位のEX風林火山(二階堂亜樹、滝沢和典、勝又健志)はここまで28戦してラスがわずかに1回。
我慢を重ねながら徐々に調子を上げて、ついに渋谷ABEMASを捕らえた。
その強さの秘訣に、ミスをしてもすぐに切り替えられる修正力がある。
二階堂亜樹が最も印象に残っている1局
ここまでリーグトップの4勝を挙げてチームを支えている亜樹(148.8ポイント・個人2位)は、一番印象に残っている局として、フェニックスの近藤誠一に放銃した混老頭チートイツを挙げる(10月11日#14)
52100点持ちで東場を折り返し、この半荘はトップ確定かというところで、近藤の逆襲にあい8600点差まで追い詰められた南3局だ。
好配牌をもらった亜樹は、5巡目に難しい局面を迎える。

選択肢としては、が考えられる。
受け入れ枚数は捨て牌を考慮しないと打14種46枚、打
13種42枚、打
12種38枚だが、下家の近藤が
という切り出して、ピンズを多く持っている様相だ。
ここで亜樹はピンズに見切りをつけを切った。
しかしすぐに裏目のを引き、
ツモ
というチャンスを逃してしまう。
アガリ番が移ったとはよくいうが、ドリブンズ・たろうからリーチが入り、ようやくで追いついた亜樹
たろうの現物のをツモ切ると、これが近藤に痛恨の9600の放銃となった。

これで2位に転落した亜樹は、オーラスで萩原にもかわされ、まさかの3位で終了した。
「あの局は今日(取材日の11月1日)も来る時に思い出しました。だいたい2日にいっぺんくらい頭によぎるんですよ」と牌姿が頭から離れないという亜樹。
「Mリーグのことを考えるとあのシーンがよぎります。多分マイナスのイメージを戒めにしようとしてるんですよ。今後も似た様なケースはでてくると思いますが、色んなことを考えてその都度選択していかないといけないので、なるべく後悔しないように打ちたいです」

そうして望んだ11月1日~5日の対局では、リーグ初の個人3連勝、リーグトップの4勝目を決めた。しかも12戦してラスはいまだに無い(11月16日現在)。
悔しさで唇をかみしめた亜樹だが、痛恨の放銃を戒めとして修正し、すぐに笑顔を取り戻した。
亜樹と同じくラス無しだがトップも無い勝又は、ここまで▲72.6ポイントで個人16位(11月16日現在)。勝又の実績と実力からするとやや物足りない数字だが、
「勝つためにはトップが必要なので、早い段階でトップが欲しい気持ちはありますが、最終的に優勝することが目標なのでそんなに心配していないです。自分がミスをした局面で次の戦いまでに改善できれば結果はおのずとついてくるものなので問題無いかなと」
と今後の改善に自信を持つ。
滝沢はチームとしても大事な初戦(10月2日)の親番で痛恨の少牌をしてしまった。
「その瞬間はこの先どうなるんだろうと思ったのですが、その後は不思議とより集中できましたね。」
と、すぐに気持ちを切り替えた。この半荘がチーム唯一のラスだったが、その後は7戦3勝でトータル92.4ポイントの個人4位につけている。
11月15日に渋谷ABEMASがマイナスして、試合の無かった風林火山が首位にたった。
年齢も麻雀観も近いメンバーが集まり、派手さよりも堅実に修正を積み重ねて徐(しず)かに頂点を目指す。
