- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析14
アガリまで遠いところから強引に染め手を狙うのもブラフと呼ばれることがありますが、それはあくまでアガリを目指す手作りの範疇。
ここではアガリを目指さない、あるいは染め色の牌を切ってもアガリ目が残る場合に、染め色の牌を切ってテンパイを装うことをブラフとします。
ブラフのメリットは特定他家のアガリ率を下げる、あるいは安手でアガらせることで打点を下げることにあります。逆に言えばデメリットは本書で指摘されている通り、自分のアガリ率が下がる、安手の他家のアガリ率を下げた結果、高い手の他家にアガられてしまう可能性が増える恐れがあることです。
97ページはアガリを目指さないブラフ。アガリ目がほぼ無い以上アガリ率を落とすデメリットは気になりません。安手で局を流してくれそうな他家もいないので、これなら染め手テンパイを装うに越したことはありません。
98、99ページはアガリ目が残る場合のブラフ。デメリットはアガリ率が下がることなので、自分の手が安手のときほどブラフが有力で、高打点の時ほど染め色の牌を切るのを遅らせることでノーテンに見せるのが有力になります。
浮いている染め色の牌があると、染め手に見せかけないようについ先切りしがちになりますが、(2)はそもそも字牌を2つ鳴いて染め手関係無く通ってない牌は止められやすい。
字牌のように他家が使いづらい牌をトイツで持っている時こそ、その牌が他家が切ってくるかどうかでアガリ率に大きく差がつくので、この場合は勝負手だからこそ不要なを引っ張りたいところです。
100ページはブラフによってテンパイしづらくなりますが、他家に使いづらい字牌を見せないことが効果的なケース。他家の手を止めることができれば、そこからは染め手にこだわる必要もないので、ケイテン取りも視野に入れて少しでも失点を減らすように打ち回します。
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