- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析13
一般論としては、「攻める時は最大限に攻め、降りる時は最大限に降りる」。いわゆる回し打ちはリターンが少ないうえにリスクがそれなりにあることが多く有効ではないことが多いものです。しかし、ノーリスクなら僅かでもリターンが得られる可能性をみるに越したことはありません。
他家に放銃するリスクを考慮せずにアガリを目指す時は不要な浮き牌、不要な浮き牌が無ければ価値の低いメンツ候補を落とすのが手作りの基本で、唯一の雀頭や面子には手をつけないものです。逆に言えば、浮き牌や価値の低いメンツ候補を落としていくにはリスクが高く、かといって他のメンツ候補を安牌として切ると放銃リスクを負わずにテンパイを取ることが難しくなるようであれば、通っている雀頭やメンツを落とす選択が候補に上がります。
91ページはアンコ落としの回し打ち。雀頭落としより受け入れは減りますが、3枚落とせるのでその分危険牌を止めたうえでアガリ目を残しやすいというメリットがあります。実際に選ぶかは別として、打牌候補は広く押さえておくように意識していると、アンコ落としのように通常では選びにくい打牌にも気付きやすくなるのではないでしょうか。
94ページは北家がテンパイ濃厚、メンゼンでのアガリがかなり厳しいケース。片アガリが2つも残るうえに鳴くと安いとなると基本はまずスルーするところですが、今回のケースならまさに、「ノーリスクなら僅かでもリターンが得られる可能性をみるに越したことはない」といえる仕掛け。先手が取りづらい手牌、局面の場合、可能なら予め安牌をメンツ候補に組み込むようにして手を進めれば、こういったノーリスクのアガリがとれるチャンスが増えます。
97ページはチートイツ狙いの回し打ち。うまくアガれることは少ないですが、あらゆる危険牌を手牌に組み込むことができるので利用頻度は案外高いです。今回ははそこまで放銃リスクは高くないですが、うまくテンパイしたところでドラを押すのは微妙なので、一歩手前の段階でも止め、北を切らずにアガれるとしたらチートイツということでチートイツ決め打ち。メンツ手のアガリが厳しい場合に特に意識しておくようにします。
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