- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析20
アガリにくい安全策よりアガリやすい危険策」は良形テンパイと悪形テンパイ程度に危険牌が通った後のアガリ率に差があり、危険牌の放銃率が特に読みを考慮しない中盤の無スジ程度(15%以下)を想定したものです。実戦では危険牌といってもそこまで待ちを絞れることは少なく、1巡だけの安全を選びがちな打ち手も少なくないので、一般論としては十分有用なセオリーです。
「裏1条件ならリーチ」というのも、基本的に手変わりがさほど多くないケースを想定していますが、手変わり待ち有利になるほど手変わりが多ければ、特に条件の無い平場であっても手変わりを待った方がよいですし、そもそもテンパイする以前の段階で裏ドラ無しでも逆転できる受けが残るように打つことが多いので、そのようなケースは起こりにくいのです。確実に逆転できることを意識し過ぎるあまり運否天賦を嫌う打ち手も少なくないので、こちらも一般論としては有用なセオリーです。
しかし、個別の局面で明確に判断が変わると分かるのであれば一般論よりそちらを優先すべきです。今回は「手変わり」こそをツモるくらいですが、終盤で待ちがかなり絞れているので、の放銃率がかなり上がっています。本書にある通り、放銃したらアガれることはないのですから、特に放銃率が高いと判断できるのであれば安全策を取った方がアガリやすさでも勝ると言えます。
データ研究から生まれたセオリーに対して反論が起きることも少なくはなかったのですが、大抵は1つの条件に着目するものだったので、判断を変えるほどではないと結論付けられることが多かったです。しかし、複数の条件が揃えば覆ることもあり、実戦ではそのような局面に遭遇することは珍しくありません。そのようなケースでセオリーから外れた一打を選べるのも、強者が強者たりうるための条件の一つと言えそうです。
現代麻雀の神ワザ
本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。
「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。
本書では天鳳位を始めとする強者たちの打ち筋の共通点を見出すとともに、それぞれの独自のバランス感覚(他人にはマネできない本人だけの「勝ちの型」)を明らかにすることを目指すものです。
数え切れないほどの牌譜を見てきたからこそ分かる、異彩を放つ一打とその背景にある麻雀理論。
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