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第34回 ネマタの麻雀徒然草

第34回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 仏教では、「因縁果の道理」が解かれます。「因」が直接的原因、「縁」が間接的原因、「果」が原因によって生起した結果。因と縁が整わなければ果が生じることは有り得ません。

 麻雀で言えば、打牌、鳴きの選択が「因」、配牌、ツモの抽選が「縁」、和了や放銃といった結果が「果」に相当します。因と縁が整って果が生じるのですから、実力だけで勝ったり、運だけで勝ったりすることはありません。たとえ配牌が天和であっても、アガっていることを認識して、実際にアガリ宣言をしなければ天和にならないので実力が必要です(ダブルリーチを打ってみたらフリテンだったという経験をしたことがある人を何人か知っています。)。

 麻雀における事象は全て、「選択」「抽選」「結果」のいずれかに該当しますが、この3つで、「麻雀が好きだけど実力が向上しない人の特徴」を説明すると次のようになります。

① 抽選の話ばかりしている人
 
 こちらでも取り上げましたが、「選択」や「結果」の「抽選」への影響を予測することは不可能です。

 抽選の話をする人は単に幸運を喜んだり不運を嘆いたりしているだけで、必ずしも抽選への影響を予測できるというオカルトを信じているとは限りませんが、人間の思考力には限りがあります。考えても仕方ないことばかりに意識が向けば、それだけ強くなるために必要な考え方を身につけることが疎かになりがちです。

② 結果の話ばかりしている人
 結果の話となるとどうしても珍しい結果、役満をアガったり、二人から追いかけリーチを受けてダブロンされてしまったという話が増えてしまいます。話の種にするだけなら問題ないのですが、これも抽選の話ばかりしている人と同様に、強くなるために必要な、「選択」に関する知識が疎かになりがちです。

③ 選択の話をしているけれど、具体性がないものばかりな人 
 ここでの具体性がある話とは、打牌選択に反映させやすい知識のことです。ルール周りや一般的なセオリーの話を好んでするのに、「自分が実戦でどのように考えて何を切ったか。」といった話をほとんどしない人もいます。

 普段打っている環境が牌譜を取ることができない、あるいは取ることができても見返す習慣が無い人によく見受けられます。逆に言えば効率よく強くなるためには、牌譜が残り、牌譜を検討する習慣がある人が周りに多い環境に身を置くことをお勧めします。牌譜が残るオンライン麻雀は数多くあれ、その中から最近になってトッププレイヤーとしてネット、リアル問わず活躍しているのはいずれも天鳳ユーザーであるのは、まさにそのような環境が整っていたからとみて間違いありません。

④具体的な選択の話をしているけど、場の情報をよく見落とす人
 勉強熱心で、勉強の内容も結果に影響しやすいものが多いにも関わらず伸び悩んでいる人も少なからず見かけますが、そのような人は得てして情報を把握するのが苦手であることが多いものです。

 将棋であれば私程度の実力であっても、駒がどこに動いたかを聞くことができさえすれば目隠しをしていても指すことができます。しかし同じ条件で麻雀を打って十分な実力を発揮できる人は、ずば抜けた記憶力を持つ人に限られるでしょう。それくらい麻雀は、場を目で認知して情報を正しく把握する能力も重要です。

 元々情報を把握するのが苦手な人が知識ばかり身につけて、打牌選択に反映させることばかりに気を取られているとますます情報を見落としがちになります。私自身、一度に複数の情報を把握することが未だにかなり苦手です。

 情報を把握するのが苦手な人が特にやるべきことは、単に知識を身につけることではなく、身につけた知識を実戦中に意識せずとも打牌選択に反映させることができるように練習を積むことです。「座学」の段階ではよく考えることが大事ですが、「実戦」の段階では、正解が選べるのであればむしろ思考量はなるべく少ない方がよいのです。考えずとも自ずと正解の打牌を選べるようになれば、その分だけ場の情報を把握することに集中できるので、重要な情報を見落とすことも確実に減っていくはずです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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